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「性別ないです」井手上漠さんの普通とは

2021年4月22日 22:03
「性別ないです」井手上漠さんの普通とは

話題のモデル・井手上漠(いでがみ・ばく)さん(18)。男性として生まれましたが、現在は性別にとらわれずに活動しています。今月、初めてのフォトエッセイを発売。井手上さんにとっての「普通」とは?

◇ ◇ ◇

都内のスタジオ、週刊誌「AERA」の表紙撮影が行われていました。そこには井手上漠さんの姿が…。これまで時代を彩る話題の人が飾ってきた同誌の表紙に井手上さんが抜てきされました。

「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に出場すると“かわいすぎるジュノンボーイ”と呼ばれ話題に。現在はモデルとして活動し、インスタグラムやツイッターのフォロワーは37万人以上。ツイッターのプロフィルには「性別ないです」。ジェンダーレスに活躍する姿が注目されています。

井手上漠さん
「性別って聞かれるんですよね。それはしょうがないことだと思っているんですけど、『性別ないです』が一番自分にしっくりくる答え方というか、それがベスト」

2003年、男性として生まれた井手上さん。子どものころからカッコイイものより、カワイイものが好きだったといいます。20日発売したフォトエッセイには、“自分らしく”生きようとした18年の生い立ちなどがつづられています。

なかにはこんな思いも……

<生きているだけで自分がマイノリティなんだと痛感させられる状況に出くわすことが多々あります。>(フォトエッセイ『normal?』より)

河出奈都美アナウンサー
「最初から自分らしくというふうにはいかなかったんですか」

井手上漠さん
「『男なのに何で?』って言われたりだとか。小学校5年生にあがってからは率直に『存在が気持ち悪い』とか」

そんな井手上さんを救ったのが……

井手上漠さん
「母が中学2年生の時に私に救いの手を差し伸べてくれたんです。すべて正直に打ち明けたんですけど『漠は漠のまま生きればいい』という言葉だけを私にくれて。その日から私は無敵になりました」

◇ ◇ ◇

“自分らしく生きる”と決めた井手上さん。高校時代には、同じ思いをもつ同級生たちとともに取り組んだのが制服の改革です。それまで「男子用」「女子用」に分けられていた制服から性別をなくし、「タイプ1」「タイプ2」に変更しました。

しかしそのとき、教師とこんなやりとりがあったといいます。

井手上漠さん
「『自分たちが昔の時だったらそういうのなかったから分からない』とかそういう意見をいただいた」

疑問を抱いたのは“先生たちの時代”を物差しにされたこと。

井手上漠さん
「時代によってものが変わるみたいに人もどんどん進化していくじゃないですか。“普通”というものを時代に合わせて変えていく必要があるかなと思っていて」

井手上さんには変えたい未来があるといいます。

<心を殺して、“普通”を選ぶ。“普通”でいることが良しとされる、そういう世界。そんな世界を変えていきたい。>(フォトエッセイ『normal?』より)

井手上漠さん
「生きやすい世の中になるためにはいろんな選択肢があるような世の中になってほしいかなと思います」