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4都府県に“宣言”休業要請めぐり混乱も…

2021年4月26日 21:07
4都府県に“宣言”休業要請めぐり混乱も…

東京など4都府県で始まった3度目の緊急事態宣言。飲食店で酒類の提供が自粛されるなどの強い措置で街には変化がありました。一方、休業要請をめぐってはその線引きについて困惑の声もあがっています。

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3度目となる緊急事態宣言で人々の行動は変わるのか…

普段の賑(にぎ)わいとは、ほど遠い東京・原宿。しかし、1回目の宣言時ほどの人の少なさとはいきません。

10代学生「学校に必要な教材とかを買いに来ました。(宣言が発出されても)そこまで変わりあるのかなとは正直思ってしまいますね」

26日、新たに425人の感染が確認された東京。

東京都 小池百合子知事
「今回のコロナは従来よりも強い、だから関西があんなに大変になっているので、首都圏でそれを繰り返したくない」

その大阪では、新たに924人の感染を確認。1週間ぶりに1000人を下回りました。

大阪府 吉村洋文知事
「倍加速度は下がっているとは思います。ただ、これがそのまま横ばいになるのか、あるいはまた増えてくるのか、下がってくるのか読めないので、警戒が必要だと思います」

また、27日にも宣言の対象地域へ追加の要請を検討するとしているのが沖縄県。26日夜、医師らの専門家会議で感染状況などを見た上での検討ですが、玉城知事は慎重な姿勢を示しています。

さらに、三重県では、まん延防止等重点措置の要請を決定。愛知県名古屋市などと近い県北部の地域を対象とする方針です。

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25日夜、宣言初日。事業者に夜8時以降、ネオンやライトアップなどの消灯を求めていた東京では、午後8時を越えて新宿の看板等の明かりが続々と消えていきました。

東京タワーやスカイツリーなど、東京のランドマークも次々と暗闇に消えていきました。

宣言前日の土曜日と比べると、25日・日曜日の夜の人出は減ったようにもみえますが、同じ頃、渋谷の街では、時短要請がされている夜8時以降も明かりがともる店もありました。
 
さらに、宮下公園の敷地内では、自粛が求められているはずの“公園飲み”が行われていました。

外で飲んでいた人
「酒飲みたい人間とかは、どっかしらには集まってくるわけで、だったらそんなに封鎖する必要もあるのかって」

上野でも、お酒をもって公園内に入っていく人がいました。

自粛できない一部の人もいる中、宣言初日から倍増したというのが、デリバリーの注文です。

中華料理ALMOND 山内義信料理長
「オーダーがかなり増えまして、ちょっとびっくりしてるところ。倍くらいは伸びてる」

16の店がキッチンのみを構え、デリバリーの注文に対応する「ゴーストレストラン」では…

TOKYO POKE MAKERS・キッチンスタッフ 切敷裕太さん
「うちも午後10時までお店は開いているので、そういった意味でも需要があるのではないかなと思います」

宣言で買い求める人が増えるものは他にも…

酒のやまや・南東京地区長 君波誠一さん
「いま大変需要が高まってます。全国各地の地酒でございます」

日本酒から海外ビールまで取りそろえるこの酒屋。「家飲み」用に、去年よりも価格帯が高いものを購入する人が増えているといいます。

買いに来た人
「まとめて買ってますね、2か月分。もうほとんど出歩かない」

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より強い措置がとられている今回の緊急事態宣言。そんな中、各業界が頭を悩ましているのが、休業要請の“線引き”です。

例えば百貨店の場合。大手は基本的に休業要請に応じていて、食品売り場は時短営業となっていますが、今回そこに加えられたのが、“化粧品売り場”。

三越伊勢丹は、化粧品売り場に加え、美容室なども営業を続けると決定。休業要請の対象外となる「生活必需品」の解釈の違いで、各社対応が分かれているのです。

書店では…

不二屋書店 門坂直美社長
「いまですね、FAXが届いたんですけど、書店は休業要請・休業の協力依頼の対象外」

今回、書店は休業要請の対象外。しかし、同じ本を扱う古書店は対象となっているため、混乱したといいます。

不二屋書店 門坂直美社長
「お店によっては毎日入荷する荷物を止めたりとか、そういう手配をしてしまってますからね。振り回されるのは私たちですもんね。たまらないですね」

さらによくわからないと話すのはバッティングセンターです。

駒沢バッティングスタジアム 岩撫直さん
「無観客要請で営業というようなことがあったんですが、無観客という意味が正直言ってすごく分かりにくくて」

屋外のバッティングセンターなどで要請されている「無観客」での開催。都によると、1人で利用するのはいいが、後ろに観客を入れることを避けてほしいという意味だといいますが…

駒沢バッティングスタジアム 岩撫直さん
「ご家族や友達、そういう待っている人たちが観客かというと、私はそうは思いません」

このバッティングセンターでは、人数制限をもうけ、営業時間も午後6時までに短縮して営業するといいます。

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人流を抑えるため、幅広い業種に出された強い措置。人出が見込まれるゴールデンウイークを前に、渋谷では民間のPCR検査センターに最大で30人ほどの行列ができていました。

検査に来た人
「GWに地方で出張があるので、会社から指示があって来ました。やっぱりみんなGW前で、行く前にそういう検査を受けるのかなと思って、ちょっとびっくりしました」