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GW明け自殺増懸念「TALKの原則」とは

2021年5月6日 3:06
GW明け自殺増懸念「TALKの原則」とは

ある20歳の女性は、学生のとき自殺を考えたことがあるといいます。ゴールデンウイーク明け、子どもや若者の自殺の増加が心配される中、もし、SOSを感じたら私たちに何ができるのか。自身の経験から語ってくれました。

       ◇◇◇

■GW明け「地獄でしかない」

5日、zeroが話を聞いたのは、さゆりさん(20)。いじめなどによる不登校の経験者です。

さゆりさん「同じクラスの男子数名からのいじめだったんですけど、言葉の暴力というか、ずっと暴言吐かれたり、ばい菌扱いされたり」

──GWの最終日、あすはどんな日?

さゆりさん「地獄でしかないですね。新生活があって、そこの休みという部分もあって、心が疲れやすい時期なのもある中、学校に行かなきゃいけないというプレッシャーだったりとか。本当にあしたから始まっちゃうくらいなら死んでしまいたいって」

例年、小中校生の自殺者数が増加する長期休み明け。去年は緊急事態宣言とゴールデンウイーク明けが重なった5月以降から自殺者数が急増し、過去最多に。

今年も「いじめ」や「孤独」などの相談を受けるNPO法人によると、一日の相談件数がゴールデンウイーク前と5日で比べると、およそ2倍だといいます。

■身を案じた家族の言葉がさらに…周りの人はどうすれば?

死にたいと思うようになったというさゆりさんを、さらに追い詰めたというのが……

さゆりさん「衝動的にリストカットしちゃったところを親に見られたんですけど。たまたま帰ってきて、気づかれて止められたんですよ。『死ぬな』『家族が悲しむ』とか。一見いい言葉のように思えるかもしれないけど、私からしてみたら『じゃあ気づいてよ』みたいな。自分が悩んだ中で必死に出した答えまで、答えを示しているものまで否定されなきゃいけないの。最後のとりでだったのに、その選択さえも許されないのかなと思っちゃいました」

さゆりさんの身を案じてかけた家族の言葉。

──家族がもし死という選択をしようとしていたら、「死なないで」って言ってしまうと思う

さゆりさん「『死ぬな』とか動揺するのはわかるけど、逆にそれで傷をえぐられることもある。正直」

──周りの人はどうすれば?

さゆりさん「『それくらいためてるものがあったのね』と言ってもらえた方が『気づいてくれていたんだ』と思えるので、まずは『そうだよね。つらかったよね』と話を何も否定せずに聞いてほしい」

       ◇◇◇

■「TALKの原則」とは?

──コロナもある中、つい『自分の大変さ』ばかりに目を向けがちですが、追い込まれてしまっている子どもや若い世代の悩みに目を向けることが今、より大事となってきていますが、じゃあどうすればいいのか。

もし親しい人から「死にたい」と打ち明けられたり「自殺」のサインを感じた場合、文部科学省は「TALKの原則」が重要だと呼びかけています。

「TALK」とは、「Tell」「Ask」「Listen」「Keep safe」の頭文字をとったもので、たとえば「Ask」は「『死にたい』という気持ちについて率直に尋ねる」ことが大切だといいます。

──どこまで率直に尋ねていいものでしょうか?

具体的には、「どんなときに死にたいと思ってしまうの?」というような聞き方が良いということです。

逆にいけないのは、安易に励ましたり、叱ったりすることです。たとえば、「大丈夫、頑張れば元気になるよ」や「死ぬなんて馬鹿なこと考えるな」など。これらの言い方では、せっかく開き始めた心が閉ざされてしまうのです。

──これってこちら側の価値観でものを言っている感じですものね。死にたいという気持ちをまっすぐに聞いて、そして寄り添うという気持ちが大事ということですね。


【不安や悩みの主な相談窓口】
・24時間子供SOSダイヤル
  0120-0-78310(なやみ言おう)

・チャイルドライン(18歳以下対象)
  0120-99-7777(毎日午後4時~午後9時)

・BONDプロジェクト
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