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「歌会始」お題は「和」 両陛下は被災地に心寄せ 石川県の女性も出席

2024年1月19日 19:46
「歌会始」お題は「和」 両陛下は被災地に心寄せ 石川県の女性も出席

19日、新年恒例の「歌会始の儀」が行われ、天皇皇后両陛下の歌が披露されました。「歌会始」には、能登半島地震に見舞われた石川県の女性も出席しました。

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皇居で、新年恒例の「歌会始の儀」が行われました。今年のお題は「和」です。

天皇皇后両陛下や皇族方が臨まれたほか、約1万5000人の一般公募から選ばれた入選者10人が出席し、古式ゆかしい節まわしで歌が披露されました。

能登半島地震の被災地である石川県からも、入選者が出席しました。

天皇陛下は「をちこちの 旅路に会へる人びとの 笑顔を見れば 心和みぬ」と、各地を訪問した際に人々の笑顔を見てうれしく思い、ご自身の心も和む気持ちを詠まれました。

また、皇后さまは長女の愛子さまへのお気持ちを題材に、歌を詠まれました。「広島を はじめて訪(と)ひて 平和への深き念(おも)ひを 吾子(あこ)は綴れり」と、愛子さまが中学校の修学旅行で初めて広島を訪れ、卒業文集につづった平和への願いを感慨深く思った気持ちを詠まれました。

愛子さまは、学業優先のため出席は控えられましたが、大学の授業で学んだ和歌について、「幾年(いくとせ)の 難き時代を乗り越えて 和歌のことばは 我に響きぬ」と、戦乱の世も越え、千年受け継がれていることに感銘した気持ちを詠まれました。

また、入選した10人のうち、最年少は新潟県の高校2年生、神田日陽里さん(17)で、「『それいいね』付和雷同の私でも この恋だけは自己主張する」と詠みました。

新潟県・高校2年生 神田日陽里さん(17)
「天皇皇后両陛下が身近に感じられた、といったらだめなんですけど、すごい短歌でつながれた、気持ちがつながったみたいな感じがして、すごく良かったです」

能登半島地震で震度5強を記録した石川県かほく市の市役所の職員、宮村瑞穂さん(32)は、友人を題材に「花散里(はなちるさと)が 一番好きと 笑みし友 和服の似合ふ 母となりぬる」と、詠みました。

歌会始への出席を辞退することも考えましたが、職場の上司らがあたたかく送り出してくれたといいます。

石川県かほく市・市役所職員 宮村瑞穂さん(32)
「上司等にも相談したんですけど『こういう時期だからこそ行ってきて、石川の話をしてきてほしい』、あとは『少しでも明るい話題を提供してほしい』と、今回参加しました」

両陛下との懇談では…

石川県かほく市・市役所職員 宮村瑞穂さん
「まず天皇陛下から、この度の能登地震のことをご心配してくださるお声がけをいただき、皇后さまからは『避難所のお手伝いとかされたんですか』とお尋ねいただきました。その際には、私は避難所の方はお手伝いしていないんですけども、しばらく断水しておりましたので、給水パックを作るお手伝い等をしていましたとお答えしました。本当に心の底から能登半島地震のことを心配してくださっているのだな、お心を寄せてくださっているのだなというのが、伝わってきました」

来年のお題は「夢」と発表されました。