ワクチン接種で商品券 接種促し経済も活性
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、茨城県や兵庫県では、ワクチン接種の対象ではない町長が、接種を受けたことが明らかになりました。
河野ワクチン担当大臣は13日、経団連を訪れ、ワクチン接種が早く進むよう協力を求めました。これを受け、経団連では、企業の診療所などを接種場所として使うことや、産業医などの協力を得ることを、会員企業に求めます。
経団連・冨田哲郎副会長
「国民的な不安を除去して、経済活動をもう一度元気にしていく。そのためにも、ワクチン接種をできるだけ早く広めていく」
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ワクチン接種を巡っては――
茨城県城里町の42歳の町長や、副町長、教育長の三役が、先月、医療従事者向けのワクチンを接種していたことがわかりました。
城里町・上遠野修町長(42)
「(医療従事者の中で)キャンセルが12名発生し、廃棄を避けるため、私も含め、三役を含めて職員が接種しました」
上遠野町長は、「自分を含め、接種した職員は集団接種に関わる職員で、医療従事者に準ずるので問題ない」と説明しました。
一方、町長同様に、先に接種した副町長は…。
城里町・仲田不二雄副町長
「高齢者の方とか、疾患を持つ方が優先だったのかなと反省している」
町長たちの接種に町の人は――
城里町民
「抜け駆けはいけない。それだけですよ」
「色々役職もあって会う人も多いから、いいんじゃないですか」
賛否の声が聞かれました。
さらに、兵庫県神河町でも――
神河町・山名宗悟町長(62)
「本当に申し訳ございませんでした」
62歳の山名町長が、65歳以上を対象にした優先接種の初日に、接種を受けていたとして謝罪しました。
神河町・山名宗悟町長(62)
「私自身は病院関係者であるという認識において、あえて町民のみなさんへの積極的公表は、全く考えておりませんでした」
町長は、公立病院の設置者の立場で、毎週、会議などで訪れることから、病院側に相談。キャンセル分で対応できるとの回答を受け、接種したということです。
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各地で、本格化するワクチン接種。
今月6日から高齢者への接種が始まった、埼玉県宮代町の会場では、こんなサービスが――
接種した人たちに手渡されたのは、1000円分の商品券。その狙いは?
宮代町総務課・村山善博さん「ワクチン接種率の向上、地域経済の活性化を狙って始めた」
商品券で接種の促進をしつつ、地元商店街を応援しているというのです。使用できる商店などは100店舗以上。ワクチン接種後、
さっそく和菓子を買いに来た人は…。
接種後に和菓子を買いにきた人
「いいですね」
和菓子店は――
風月堂・武笠正明さん
「 (商品券に)感謝しています。そこ(地元)で消費してもらえるという、ありがたさがあるので」
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ワクチン接種を促す動きは、東京・昭島市でも。
昭島市交通対策課・和田規宏課長
「新型コロナウイルスのワクチン接種会場への、タクシー利用助成を実施致します」
今月25日から、昭島市で始まる高齢者への集団接種。会場が市の中心部から少し離れているため、地元の複数のタクシー会社と提携しました。ワクチン接種券を見せれば、会場までのタクシー代などが500円になるといいます。
昭島市民
「いいんじゃないですか。最高だよね」
「家から直通できた方が、そりゃ楽ですよ」
助かっているのは市民だけでなく、外出自粛で打撃を受けたタクシー業界も。
京王自動車多摩北 昭島営業所・片岡聖晶所長
「コロナ前とは、収入が約半分くらいに落ち込んでいますので、非常に助かっております」
ワクチン接種を促進しながら地元の経済を支える取り組みは、広がりをみせそうです。