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大規模接種ついに開始、加速させるヒントは

2021年5月25日 1:28
大規模接種ついに開始、加速させるヒントは

ワクチン接種のスピードアップのカギを握る大規模接種センターが、東京と大阪で、24日からスタートしました。政府は、全ての高齢者の接種を7月末までに終えたいとしていますが、接種を加速させるためのヒントは…。

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東京・大手町、24日午後7時半すぎ、ワクチンの大規模接種センター前。この時間でも接種を終えた人が出てきます。

ワクチンの接種を加速させるため、24日開設された大規模接種センター。承認されたばかりの「モデルナ」社製のワクチンが使われました。24日だけで、およそ5000人の高齢者が予約していて、来週からは1日最大1万人にワクチンを打つ予定です。

24日夕方、会場へ向かう2人の女性が。祖母の付き添いで来たという、22歳の女性。祖母を受付まで送ると。

祖母がワクチン接種する女性(22)
「結構すいていたんですけど、私は入れなくてここまで。おばあちゃんはみんなで、お友達とワイワイするのが好きなので、(ワクチンを)打って、おしゃべりとかできたらいいな」

その後、スマホを見たり、散歩をすること45分。見送ってからおよそ1時間。

祖母(73)
「終わりました。ピース。痛さとかは全然ないです」

祖母がワクチン接種する女性(22)
「安心です」

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ついに迎えた大規模接種初日。スムーズに進めるため、会場にはある工夫が。床に描かれた4色の矢印。これをたどった先にあるのが、接種会場への直通エレベーターです。

接種会場が4か所あるため、自分はどこでワクチンを打つのか、わかりやすく色分けされていました。

接種を終えた男性(80代)
「中は割とスムーズだよ。よくできてるよ」

接種を終えた女性(70代)
「流れがよかったです。全てにおいて」

工夫は、会場の外でも。5つの地下鉄が走る、最寄りの大手町駅。実は、この駅。

東京メトロ担当者
「改札が11か所ありまして、出口は40以上あります」

複雑な地図、大手町駅の構内図です。出入り口が40か所以上あるこの迷路のような駅で、高齢者が迷わないように、矢印があります。矢印に沿って行けば、接種会場にたどり着けるということで、歩くと、再び矢印が。東京メトロによりますと、ポスターを100枚以上、案内役のスタッフを20人配置しているといいます。

また、東京駅では、はとバスが会場まで無料送迎。およそ5分おきに運行しています。

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大規模接種センターの開設を、チャンスと捉えるホテルも。ホテルから会場まで地下鉄で1本。ワクチンを打つ高齢者と同伴者は、宿泊費が50%以上割り引きされます。さらに、会場までの案内マップも。これには、緊急事態宣言が関係していて…。

ホテルの支配人
「(宣言が出て)急速に販売数が減っています。(感染を抑えるため)ワクチンの接種を早めに広げたい」

23日時点で、都内に住む高齢者のワクチン接種率は6.6%ほど。大規模接種センターの開設で、接種はどれほど加速するのでしょうか。会場を視察した菅総理は「組織で整然と接種が行われている現場を見まして、何となくほっとしております。国民の皆さんが、1日も早く安心した日常を取り戻すことができるように、内閣をあげて取り組んでいきたい」と述べました。

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一方、国が運営する大規模接種センターは、大阪にも。24日一日で、およそ2500人の高齢者が接種を予約していました。

大阪府・吉村知事
「非常に厳しい状況を大きく変えていくのは、ワクチンだと思っています。安全に早くワクチンを届けると、ワクチンがゲームチェンジャーになる、という思いでやっていきたい」

さらに、宮城県・群馬県・愛知県も、24日、県独自の大規模接種センターを開設。宮城県の会場は、JR仙台駅に近い家電量販店のビルに。1500人ほどの高齢者がワクチンの接種を行いました。接種を終えた高齢者は「予想以上にスムーズだったので、びっくりしました」と話していました。

愛知県は、空港の中に会場を設置。24日は500人が接種し、今後ここで最大2000人の接種を目指しています。

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一方、思わぬミスが起きた自治体も。三重県津市によりますと、ワクチンを生理食塩水で薄める際、誤って、通常より濃い濃度のワクチンを作り、4人に接種したということです。4人に体調の変化はないということですが、市では医療機関と連携して経過観察を行うとしています。

(5月24日『news zero』より)