大規模接種センターで“接種”スタート
自衛隊などが運営する大規模接種センターでのワクチン接種が東京と大阪で始まりました。東京の最寄り駅の一つ「大手町駅」には、40か所以上の出口があり、入り組んだ駅となっています。初めて来た人が迷わないよう、駅にされていた工夫とは?
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依然、収まりを見せない感染。沖縄県では24日、新たに104人の感染を確認。月曜としては過去最多の人数となりました。
東京では340人の感染を確認。先週の月曜日と比べると減少しています。(先週月曜日 419人)
大阪も減少傾向。24日の感染者は216人と、先週と比べて100人以上減少していますが…(先週月曜日 382人)
大阪府 吉村知事
「(今も)重症者の方は300名を超えると。重症病床の使用率は90%」
重症者数は、全国でも1300人と、依然高止まりが続いている状況です。
大阪府 吉村知事
「緊急事態宣言どうするかということに関しては、感染者数だけでなく、医療の逼迫(ひっぱく)状況、医療体制も十分見ていく必要があると思います」
本来の緊急事態宣言の期限まであと1週間。
会社員
「(宣言)延長した方がいいと思います。延長外しちゃうと(感染者数)また増えちゃうと思う」
会社員
「慣れてしまっていると思うので、(延長しても)あんまり意味がないと思う」
現在、10都道府県に発出されている緊急事態宣言。期間は、ほとんどの地域で今月31日までとなっていますが、23日から追加された沖縄については、来月20日までとなっています。
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広島県では、あるトラブルが発生。
福山市職員
「誠に申し訳ございませんでした」
福山市では、ワクチンの原液を薄める際に使用する生理食塩水を、誤って注射した疑いがあると発表。23日、市内の集団接種会場を訪れた119人のうち、最大6人に接種した可能性があるということです。市は、「健康被害はない」とした上で、119人全員に対し、抗体検査を実施するとしています。
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そして、24日。
記者
「午前8時過ぎです。続々と高齢者がワクチン接種会場へ入っていきます」
東京・大手町と大阪市で国によるワクチンの大規模接種がスタート。
接種を受けた人
「30分もかかってないんちゃう、早いよ」
接種を受けた人
「ちゃんと案内してくださったので、間違いなくスムーズにいけたと思います」
24日は東京でおよそ5000人、大阪でおよそ2500人が接種を予約しています。
とうとう始まった大規模接種。会場の様子はどうだったのでしょうか。
接種を受けた人
「流れが良かったです、全てにおいて。気持ちよく(接種を)受けることができました」
スムーズな接種のため、会場には“ある工夫”がされていたのです。
接種を受けた人
「黄色とか緑とかグループ分けされていて、結構、計画立ててたんだなと」
会場には色分けされたイスが等間隔に並び、フロアの床は4色に色分けがされていました。
案内係
「クリアファイルの色と同じ床までお進みください」
案内係も至る所に配置され、待機時間は少なかったということです。
一方で、会場の外にはこんな人も…
下見に来た男性(82)
「下見に来たの。当日迷わなくていいように」
下見に来た女性(83)
「私、来たことないし、時間までに間に合うかわからないので」
会場までの“下見”に来たというのです。不安のワケは、最寄り駅の一つ「大手町駅」。実はここ五つの路線が走っていて、出口は40か所以上。初めて来た人には悩ましい“入り組んだ”駅となっています。そこで…
東京メトロ営業部 赤萩文康さん
「非常に巨大な駅構内ということで、お客さまのご案内を強化する必要があると」
東京メトロでは、大規模接種に向けて案内を強化しています。
実際に改札から最寄りの出口まで歩いてみました。
記者
「早速あちら矢印、そして矢印を持った方がいます」
改札を出てすぐに矢印や案内ポスターがあります。さらに…
記者
「この道だけで10枚近くの看板が設置されています」
東京メトロによりますと、会場最寄りの出口までに100枚以上のポスターを設置。“案内スタッフ”も20人配置しているということです。
電車を利用して来た人は…
接種を受けた人(電車を利用)
「迷わず気持ちよく来られました。気配りがうれしいですね」
東京都も“移動”をサポート。
「接種センター行きシャトルバス、まもなく出発となります」
東京駅に待機していたのは「はとバス」。はとバスと都営バスが東京駅から会場まで無料で送迎してくれるのです。
バスを利用した人
「バスの方がいいよ。歩いて行ったら10分くらいかかるって疲れちゃう」
バスは午後8時ごろまで、およそ5分おきに運行しているということです。
そして タクシーの配車アプリを扱う会社は、ワクチン会場へ向かうタクシー代の無料サービスをスタートしました。(片道1500円まで)
DiDiモビリティジャパン・マーケティング部 柳芝娟さん
「自宅から接種会場までの移動をできるだけ無料で提供することで」
現在、14の都道府県で実施していて、あわせて5万回分の無料券を準備しているということです。
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進むワクチン接種。大規模接種以外でもユニークな取り組みが始まっています。
24日から個別接種が始まった東京・瑞穂町のクリニック。待合室に置かれていたのはなんと“ロボット”。耳を傾けると…
「お持ちの予診票に記入はお済みですか?」
ワクチン接種者へ案内を呼びかけるのです。
西多摩医師会 玉木一弘会長
「おちついた気分で接種をしていただけないかなと、案内役としてロボットを導入しました。やわらかい雰囲気になれれば緊張がとれるのかなと」
ロボットなので、飛まつの心配もなし。今後は大規模接種会場などの入り口などでも使ってもらいたいということです。
八王子市の団地ではこんなサポートも…
「9時半あいてますね。9時30分から45分で」
大学生によるワクチン予約の代行です。館ヶ丘団地では3000人ほどいる住人のおよそ6割が65歳以上の高齢者。スマートフォンを持っていない人も多く、“ハードルが高い”予約のサポートを、大学生の協力を得て開始しました。
80代・男性
「お願いしたらすぐできた。助かったよ」
89歳女性
「安心。もう少し長生きできそうね」
拓殖大学3年生 宗形颯人さん
「若者世代でも苦戦した部分があったので、スマホが使えない人にはすごい大変な作業だなと。直接言われるありがとうという言葉は素直にうれしいです」
23日までに150人以上が利用。今後もサポートを進めていくということです。