「やめてもいい」過剰なコロナ対策とは? レストランで、エレベーターで……医師が提言、ナゼ今 「こまめな手洗い一番重要」
新型コロナウイルスの感染対策のうち、見直すべき過剰な対策があると、医師が提言しました。何度も消毒することや、レストランで着ける手袋、エレベーターの抗菌シートなどが例に挙げられています。感染者数が増える今、なぜ提言が出されたのでしょうか?
■感染者増も…「やめてもいい」例
有働由美子キャスター
「ゴールデンウイークが明けて(新型コロナウイルスの)感染者数が増えている中ですが、『もうこれはやめてもいいんじゃないか』という対策もあるといいます」
「例えば、誰かが触った机やイスを何度も消毒することや、レストランのビュッフェで食事を取りに行く時の手袋、エレベーターのボタンに付いている抗菌シートなどです」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「ラウンジやホテルで、手袋がなかなかやりづらくて、朝ごはんを食べないことがよくあります」
■医師が提言…「やめてもいい」理由
有働キャスター
「なぜ今、やめてもいいということに…?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「提言したのは、大阪大学医学部の忽那賢志(くつな・さとし)教授です。これらは過剰な感染対策で、やめていくべき時期なのでは、としています。全く無駄とは言えませんが、不要だったりかえって不衛生だったりするといいます」
「身の回りを何度も消毒しても、別の何かを触った後に自分の顔に触れたら感染リスクがあります。同じ手袋を使い回しているなら、トングや皿などいろいろ触って汚れています。抗菌シートは多くの人が触れるので、接触面にウイルスが残っている可能性があります」
有働キャスター
「ちょっと思っていました」
小野委員
「(そう)思う時もありますよね。そのため、これらの感染対策をするよりも、こまめに手を洗うことが一番重要だといいます」
■ワクチンや治療法確立…致死率低下
有働キャスター
「ただ、なぜ今こういう提言が出されたのでしょうか?」
小野委員
「Our World in Dataによると、日本で新型コロナに感染して亡くなった人の割合は2020年の一時期は5%を超えたこともありましたが、現在(5月9日)は0.37%と大きく下がっています。ワクチン接種や治療法が確立されたことが理由です」
「忽那教授は『まだまだ油断はできないが、今後、社会機能を維持しながら徹底すべき感染対策に集中するために、過剰な対策は見直すべき』と話しています」
有働キャスター
「過剰な対策を見直す動き、どう思いますか?」
落合さん
「(致死率)0.37%は、以前と比べれば低いかもしれませんが、そうは言ってもインフルエンザと比べると高い数字には現状見えます。そう考えると、必要な対策は続けた方がいいと思います」
「手指の消毒は非常に良い習慣で、このおかげで今流行っていない病気は多いと思います。僕は高齢者などリスクの高い人と会う時は必ず、マスクをこれからもし続けると思いますし、ファッションとしてマスクを着けています。こういう習慣は残りはすると思います」
有働キャスター
「(新型)コロナ対策は『やってる感』だけ演出するのが一番無駄です。これまで政府は『やってほしいこと』のお願いばかりでしたが、これからは『やらなくてもいいこと』を一覧やイラストにして、分かりやすく示してくれると、効果的な対策に集中しやすいです」
(5月10日『news zero』より)