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中小企業“2万人以上”接種企画…どう実現

2021年6月10日 1:40
中小企業“2万人以上”接種企画…どう実現

9日、行われた党首討論で、菅首相は「今年の10月から11月にかけて、必要な国民、希望する方すべてを終える。そうしたことも実現したい」と述べ、接種スケジュールの見通しを具体的に示しました。

発言の背景には、国民に安心感をもってもらい、党首討論の目玉としてアピールしたい狙いがあったとみられます。

これについて街では、「妥当かな」「またずるずると来年とかになってしまう可能性もあるのかな」「10月!?え!?早いです」 などの声が聞かれました。

“接種のスピードアップ”に向けて、国も中小企業も、ある家族も様々な工夫を行っています。

まずは、9日の大規模接種センターです。9日、接種対象を1都3県に拡大して初めて、報道陣に内部が公開されました。

新たに公開されたのは、重い副反応が疑われる症状が出た人の対応にあたる「救護所」です。そして、4つの色で導線を分け、スムーズに接種が進むような工夫もありました。

接種した人は「スムーズにずっと流れて、とまるところがなかったので非常にいいです」と話していました。スムーズなのは接種だけでなく、神奈川から接種に来た人によると「全然予約の数・枠が全く違いましたので」ということです。

東京会場の9日午後8時時点の予約状況をみてみると、来週は74%、再来週は93.1%も予約に空きがあるようでした。14日からの2週間、予約が“がら空き”状態です。政府は早めの予約を呼びかけています。

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つづいて、zeroは石崎慎也さん(32)のお宅を訪ねました。リモートワークを午前中で終え、午後は、「母のワクチン(接種)のためにお休みをいただいている状況です」ということです。

“ワクチン休暇”がある石崎さんの会社では、家族の付き添いや看病でも休暇を取得できるといいます。副反応に不安を感じている
母に付き添い、無事、2度目の接種を
終えることができました。

接種を受けた母親(64)は「やっぱり安心した。そばに息子がいてくれた。家族がいてくれた」と話していました。

ちなみに、このお2人、帰り道にちょっとした“工夫”が─。

石崎慎也さん(32)
「クーポンを使って自宅まで帰ろうと」

接種に関する移動が無料になるタクシー配車サービスを利用し、お得に帰宅しました。

そして、社員12人の中小企業・コーラル・キャピタルが、決断したのは、“2万人以上”への職場での接種です。どう、実現するのかというと─。

コーラル・キャピタル担当者
「今回これらの投資会社さんに協力いただきまして」

取引先のベンチャー企業など1100社以上の中小企業と協力します。クリニックから医療従事者を確保したり、大手企業からは会場となる広いスペースを貸してもらったりし、合同接種を企画していました。

参加する企業からは─。

合同接種に参加する企業
「自分たちだけでやるキャパシティーがないので、合同でやるのはメリットがある」

中小企業合同接種を企画するコーラル・キャピタル担当者は「(職場接種を)実際にやりたいけど、やれない会社(中小企業)がほとんど。我々が最初の事例として、中小企業でもできると証明できれば」と話していました。

    ◇◇◇

一方、9日夜、厚生労働省の専門家部会で明らかになったのは、国の大規模接種会場や今後の職場接種などで使われる、モデルナ製ワクチンの副反応について。

先月30日までに、9万人以上が国内で接種していますが、アナフィラキシー症状や接種後死亡したという報告は一件もないことがわかりました。

厚労省は、現時点では接種した人がまだ少なく、引き続き分析していくとしています。

6月9日放送『news zero』より。