子どもの接種 日本小児科医会が提言を公表
12歳以上の子どもの新型コロナウイルスワクチンの接種について、日本小児科医会は、16日、注射を打つ緊張などから子どもに起こることがある反応を知った上で、接種するかどうか判断すべきとする提言を公表しました。
アメリカ、ファイザー製のワクチンの接種対象が12歳以上になったことを受け、日本小児科医会は、この世代への接種に関する考え方を公表しました。
その中で、ワクチン接種後に出る痛みや発熱、倦怠(けんたい)感などの副反応について、高齢者に比べ若い人に多く発現することがわかっていると説明しています。
また、この年代特有のものとして、接種に対する緊張や不安などから、息切れやめまい、失神といったさまざまな反応が起きる可能性についても触れ、接種前・接種時・接種後の各場面にわたり、丁寧な対応が必要だとしています。
そして、学校などでの集団接種の場合、誰かがめまいを呈したのをみて、ほかの子どももめまいを起こすなど、「集団反応が起こりやすい年齢であること」を考慮すべきと述べています。
医会は、こうした小児期特有の反応などを念頭においた上で、接種するかどうか、また、集団接種とかかりつけ医などによる個別接種のどちらがよいか、判断すべきとしています。
また、日本小児科学会も16日に見解を発表しました。学会も、若年者の方が高齢者より接種後に発熱、全身倦怠感などを認める割合が高いとしました。
「基礎疾患を有する子どもへのワクチン接種については、健康状況をよく把握している主治医と養育者との間で、接種後の体調管理などを事前に相談することが望ましい」としました。
一方、「12歳以上の健康な子どもへの接種は意義がある」とした上で、「メリットとデメリットを本人と養育者が十分に理解していること、接種前、中、後にきめ細かな対応を行うことが前提で、できれば(かかりつけ医などによる)個別接種が望ましい」と述べています。
さらに、「ワクチン接種を希望しない子どもと養育者が特別扱いされないような十分な配慮が必要」と注意を促しました。