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裁量労働制の平均労働時間“20分”長い

2021年6月25日 22:55

裁量労働制で働く人の一日の労働時間が、裁量労働制ではない人と比べておよそ20分長いことが、厚生労働省の調査で明らかになりました。

厚労省が実施した調査では、裁量労働制が適用されている労働者の1日の平均労働時間は9時間でした。これは、裁量労働ではない労働者の平均労働時間8時間39分よりおよそ20分、長いことがわかりました。

一方、事業運営のための企画や立案に携わる企画型の裁量労働者の、出退勤時間については「上司に相談せずに、自分で決めている」がおよそ50%でしたが、「自分に相談なく、上司が決めている」がおよそ5%いたこともわかりました。本来、労働者の裁量で業務を進めるのが裁量労働制ですが、上司などが出退勤の時間を決めている実態がありました。

企画型の裁量労働として働く労働者に、裁量労働制について聞くと、「今のままでよい」が41%、「特に意見はない」が26.4%、「制度を見直すべき」が26%でした。そして、企画型裁量労働で「制度を見直すべき」と答えた人のうち、対象労働者の範囲が「不明確」と答えたのは44%で、「広い」がおよそ30%でした。

厚労省は、調査結果をもとに来月から、裁量労働制のあり方について議論するとしています。