「下校時」に多発…子どもの事故防ぐには
飲酒運転のトラックが小学生の列に突っ込んだ千葉の事故で、「時間帯」と「道路」に注目しました。下校時は事故が多く、専門家によると「気が緩む」時間帯。登下校時のみ通行止めにする例もあります。子どもの事故や飲酒運転をなくすための手だてを考えます。
■小学生の交通事故「下校時」最多
有働由美子キャスター
「千葉県八街市で飲酒運転のトラックが小学生の列に突っ込んだ事故は、飲酒運転自体、絶対許せない、あってはならないことです。ただ、こうした事故から子どもたちを守るにはどうすればよいのでしょうか」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「今回の事故で注目するのは、『時間帯』と『道路』の問題です。まず時間帯について、事故が起きたのは午後3時半ごろでした。警察庁の資料によると、2016~2020年の合計で小学生の交通事故(歩行中・自転車乗用中)が最も多いのは午後2時台~5時台。つまり、下校時間帯です」
「この時間帯に、なぜ事故が多いのでしょうか。日本交通事故調査機構の佐々木尋貴(ひろき)さんは、『夕方ごろは仕事が終わるドライバーの気が緩む時間』と指摘しています。今回の事故の運転手も、早朝から仕事をして昼食の時に酒を飲み、勤務先に戻る時に事故を起こしたとみられています」
■専門家「登下校時の通行止めを」
小野委員
「もう1つは道路の問題です。事故が起きた道路は、歩道もガードレールもありません。周辺住民も『大型の車とすれ違う時は危険を感じるような道だった』と話しています。本来であれば、通学路にガードレールを設置することは大事なのですが、佐々木さんは『登下校の時間帯だけ車を通行止めにする』という提案をしています」
有働キャスター
「車自体を止めてしまうということですね」
小野
「新潟市では、子どもが多く通り、交通量が多い時間帯にのみ、車止めが自動で上がって、一時的に車が通れなくなる場所があります。この道路は小学校の通学路で、今回の事故と同じく、多くの車が抜け道として利用するようです」
■落合さん「自動運転の早期実現を」
有働
「今回のような飲酒運転、そして子どもの事故をなくすために、どんなことができるでしょうか?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「例えば飲酒していたらエンジンがかからないなどのアイデアもありますし、悪くはないと思いますが、僕はそれならば自動運転を早く実現した方が良いかなと思います」
「自動運転ももちろん事故を起こす可能性はありますが、少なくとも飲酒運転のようなモラルに由来する事故は減ると思いますし、危険運転致死傷などはすごく減ると思います。それまでの間は、人をセンサーで感じてブレーキをかけるなどの『半自動』も一定の効果はあるので、そういったものの配備をやっていくしかないと思います」
有働
「そういう技術の進歩も期待したいところですが、私たちが今できることは、当たり前のことですが、飲むなら乗らない。ドライバー本人の自覚はもちろん、周りの大人たちも止める意識を、しっかり持っていきたいと思います」
(6月29日『news zero』より)