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オンラインカジノ“違法”と気づきにくいワケ お笑いコンビ「ネットで広告が…」 課金ゲームとの境界は?【#みんなのギモン】

2025年2月18日 10:51
オンラインカジノ“違法”と気づきにくいワケ お笑いコンビ「ネットで広告が…」 課金ゲームとの境界は?【#みんなのギモン】
オンラインカジノの問題を巡り、警視庁が吉本興業に所属する10人弱のタレントから話を聞いています。お笑いコンビの1人は「違法ではない」と認識した背景をYouTubeで説明しました。広告から賭博に誘導する流れや、取り締まりの難しさを考えます。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「オンラインカジノ 違法と気づかない?」をテーマに解説します。

■お笑い芸人、オンラインカジノで謝罪

山崎誠アナウンサー
「吉本興業のタレントが相次いで事情聴取を受けているオンラインカジノの問題について、林官房長官が17日、違法性の周知を徹底していくと述べました」

「この問題を巡っては、お笑いコンビの令和ロマン・髙比良くるまさん(30)が一昨日、YouTubeチャンネルで動画を投稿しました」

「その中で『オンラインカジノをしていたのは事実であります』と話した上で、そのきっかけについて『2019年末、大学時代の知人から誘いを受けて海外の口座から送金した』と話していました」

「ポイントは『オンラインカジノは違法ではないという説明を受けまして、なおかつ当時インターネット上で広告があがっていて違法ではないという認識をしてしまい、オンラインカジノをしておりました』という点。違法という認識がなかったと話しています」

鈴江奈々アナウンサー
「オンラインカジノは違法ではありますが、それを知らなくて、誰もが目にすることができる広告が入り口になってしまうと、そういったことに気づけないという落とし穴があるのかもしれませんね」

■「オンラインゲーム」と宣伝の広告も

山崎アナウンサー
「どういった広告があるのでしょうか。一例ですが、パズルゲームの画面とともに有名なスポーツ選手が登場し、『オンラインゲーム』『無料版』と宣伝している広告が実際にあったそうです。目にしたことはありますか?」

斎藤佑樹キャスター
「僕はないですね」

森圭介アナウンサー
「私は深夜ラジオをよく聞きますが、ものすごい量が流れていましたよ。オンラインカジノだと後で知ってびっくりしました。音声で無料版の宣伝をしていました」

山崎アナウンサー
「身近に触れる機会があると思います」

瀧口麻衣アナウンサー
「InstagramとかTikTokなど、SNSを使っている時によく広告で流れてきますね」

山崎アナウンサー
「こうした広告からどういった形で賭博行為に至ってしまうのか、警察庁などに取材しました」

「広告を見て『無料だし、面白そうだな』とサイトを開いてみると、遊ぶには銀行口座やクレジットカードなどをひも付けたアカウントを登録する必要があります」

「ただ『無料だし大丈夫だろう』と先に進むと、『入金不要』『初回ボーナスプレゼント』といった画面が出てきます。遊ぶために使うポイントなどが無料でもらえますよ、とうたっています」

「このゲームはポイントなどを賭けて、ゲームに勝ったらポイントが増えるというものです。最初は無料でもらったポイントを使いますが、そのうちポイントがなくなります。するとポイントを自分のお金で購入して賭けをすることになる」

「これが賭博行為で、法律違反になります。アプリゲームでアイテムを買うことはよくあるでしょうし、ポイントを購入して遊ぶというのはスマートフォンの課金でもあると思います」

「こうした気軽さゆえに、一般のオンラインゲームでの課金との境界が曖昧になってしまい、犯罪に手を染める自覚がないまま利用してしまうケースも少なくないということです」

■斎藤キャスター「広告で勘違いも」

斎藤キャスター
「広告があるということで、フィルターを通ったものを我々が見ているという勘違いをするのかなと思います」

瀧口アナウンサー
「どこからが犯罪になってしまうのかをきちんと知らないと、どんどんハマっていく人が増えていくのかなと思いますね」

鈴江アナウンサー
「広告の中でそういった線引きがされているわけではないとなると、これはどうなのかと思いますよね」

森アナウンサー
「他のオンラインゲームで普通にできていることだから、その延長でということですもんね」

■運営会社の摘発や広告の違法性は?

山崎アナウンサー
「ここでいくつかギモンが出てきます。賭けをしてしまったユーザーだけではなく、運営会社は取り締まりの対象にならないのか。そして、広告は違法ではないのかということです。オンラインカジノの問題に詳しい静岡大学の鳥畑与一名誉教授に聞きました」

「運営会社の取り締まりについて、日本では運営するのは違法なので、当然取り締まりの対象になり得ますが、基本的に海外に拠点があるため、摘発するのは難しいということです。国によっては合法の場合もあるということも、難しくさせている1つの要因です」

「次に広告について。オンラインカジノに誘いこむ行為は『賭博ほう助』にあたるのではないかということです。ただこれも広告主は運営会社なので、海外に拠点があるケースが多く、取り締まりが難しいそうです」

「では広告を載せているインターネットサイトの運営会社や動画サイトの運営者はどうかというと、これも取り締まりの対象になり得るということでした。現在、広告自体が表示されないようにするなどの取り組みについて、関係省庁で議論されています」

鈴江アナウンサー
「今、スマートフォンで誰でも簡単に手軽にオンラインカジノにアクセスできてしまう状況というのはやはり問題なんじゃないかなと思います」

「依存症の治療にあたっている医師も、手軽だからこそ依存症に至るまでも破滅に至るまでもスピードが速いと警鐘を鳴らしています。そういった意味でも対策が求められますよね」

森アナウンサー
「(オンラインカジノをしていた人からは)『気づかなかった』というコメントもありますが、オンラインカジノは違法なんだというところからまずスタートして、自分たちも気をつけないといけないと改めて感じますよね」

山崎アナウンサー
「オンラインカジノの問題については警視庁はこれまでに、吉本興業に所属する10人弱のタレントから任意で話を聞いているということです」

「オンラインカジノをきっかけに借金を背負ってしまう方もいます。自分だけではなく、家族や知人と正しい知識を共有することも大切になってきます」

(2025年2月17日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

最終更新日:2025年2月18日 10:51