福島第一原発1号機 水中ロボット使い格納容器の内部調査開始
メルトダウンした福島第一原発1号機で、東京電力は水中ロボットを使った格納容器の内部調査を8日、開始しました。当初は先月12日の開始としていましたが、機器のトラブルにより、およそ一か月延期されていました。
2011年3月の東京電力福島第一原発事故では、原子炉1号機・2号機・3号機がメルトダウンし、冷え固まった「燃料デブリ」がそれぞれの格納容器の底に溜まっているとみられています。
このうち1号機については、水が溜まった格納容器底部の燃料デブリの上に、厚さ1メートルほどの堆積物があるとみられていて、特に調査が困難なことから内部の調査が最も遅れています。
東電はこの1号機について、8日午前10時に水中ロボットを使って遠隔操作で調査するための準備を始め、午前11時17分に原子炉格納容器の内部に続く作業用の貫通孔の隔離弁を開けて水中ロボットを投入。内部の調査を開始したと発表しました。
午後3時27分には水中ロボットが格納容器底部に溜まった水に着水。その後、水中ロボットは、スラスタと呼ばれる後部のスクリューによる推進力で水中を移動。午後5時までのところ大きなトラブルもなく、作業は順調に進んでいるということです。
現場では、今後の調査でロボットのケーブルが構造物などに絡まらないようにするため、格納容器の内壁に「ガイドリング」と呼ばれる輪っか状の器具を取り付ける作業を深夜0時まで続ける予定です。
1号機内部の調査については、東電は先月12日に作業を開始する予定でしたが、水中ロボットを格納容器に投入する直前に、ロボットに内蔵されている線量計のデータが正確に表示されなかったり、取り付けてあった6台のカメラのうち、1台のモニター画面で時刻表示が止まってしまうなどのトラブルが発生し、作業を中止していました。
これについて、東電は7日、会見を開き、トラブルの原因と対策を発表しました。
水中ロボットから送られてくる線量計のデータが正確に表示されなかったトラブルについては、線量計測器にノイズが入ったためで、配線の位置を変えるなどすることにより、解消されたとしています。
また、モニター画面の時刻表示が止まってしまうなどのトラブルについては、ケーブルに不具合が見つかったことから、交換するなどして解消できたとしています。
8日、再開された1号機内部の今回の調査は今月10日まで続けられる予定で、東電は作業結果と進捗について、9日、会見を開き、説明することにしています。