夏休みにお薦め!プロが作る自由研究ガイド
夏休みの宿題と言われると真っ先に思いつくのが自由研究。夏休みに入って、子どもがどんなテーマで何を研究したらいいのか分からず、相談されて困っている人も多いと思います。そんな人たちに、見ていただきたいのが、こちらのプロが作った「科学者になれる!すごすぎる自由研究ガイド」です。
■学校では教えてくれない「科学的な自由研究ガイド」
ガイドでは、「科学的な自由研究」に取り組むための手順とコツが分かりやすく、フローチャートなどを使ってまとめられています。チャートの手順を見ると…。
(1)テーマを決め、自分が“疑問”に思っていることを見つける
(2)“疑問”についてインターネット、本などで下調べ
(3)自分なりの仮説を立てる
(4)実験もしくは観察をしてデータを収集する
(5)データをもとに仮説が正しいのか考察し結論を導く
テーマの選び方、疑問の見つけ方など、チャートの一つ一つの内容についても、別ページで細かく手順と説明が行われ、最終的には自主研究のコンクールに提出する方法まで紹介されています。
すべての漢字にルビがふられ、小学生向けとされているこのガイド。「プロの研究者もこのような手法で研究をしています」とあるように、かなり本格的に仕上がっています。
■制作したのは気象庁のプロの研究者
制作者は、気象庁の気象研究所で防災・減災のために気象災害をもたらす雲の仕組みを研究している雲研究者・荒木健太郎さん。ガイドを作ったきっかけは何だったのでしょうか…?
荒木さん「私、いま茨城県のつくば市にいて、つくばは研究者がたくさんいるので、研究者の親が教えるとなればやり方は直接教えられるので、すごい自由研究をしている子は結構いっぱいいる。でも親が研究者でなくてもやる気があって、色々といっぱい知りたい調べたいというお子さんってすごく多いと感じていたので、そんなとがった子をもっととがらせたいという思いがあって作ったんです」
知りたい、調べたいという強い思いを持った“とがった”子どもたちの成長の手助けになればという思いで作ったという荒木さん。ガイドを作る時に、「科学的な自由研究」をするための土壌が日本には乏しいことを実感したといいます。
荒木さん「国内で参考になりそうな自由研究の資料が見当たらず、海外で用いられている資料を参考にしました」「いま学校教育の中で自由研究をやりましょうと指針が出されてはいますが、実際の方法論に関しては教材がなく、先生自身が教えることもなかなか難しいという状況があります」
■一番大切なのは“楽しむこと”
子どもたちには、夏休みの間にこのガイドを使って好きなものや疑問などを追求して欲しいと荒木さんは話します。
荒木さん「自由研究って大変なことはあると思う。ネットで調べれば簡単な工作とか出てくると思うけど、せっかくいい機会で夏休みはたっぷり時間があると思うんで、科学的な手法で取り組み、自分なりに調べて、楽しんでもらえるといいなと。楽しむのが一番大事だと思う」「(ガイドは)内容的には結構難しいところもあると思うので、子どもが1人で読むというよりも自由研究を指導してくれる保護者などの大人と一緒に見ながら進めるのが一番いいやり方だと思います」
■うまくいかないことも考察すれば立派な研究
研究では仮説を立て実験をしてもうまくいかないことはよくあることで、なぜうまくいかなかったのか考察するプロセスをたどれば、それは立派な研究となるといいます。
荒木さん「うまくいかなかったら失敗って思って面白くないなって思っちゃうとすごくもったいないと思うんで。そこはどうしてそうなったのかってプロセスを考えるというその作業が面白いですし、人生の中でそういう経験は生きてくる」
一方で指導する大人には、自由研究は、子どもたちの自主性が大切なため、モチベーション維持のためにも子ども自身の疑問を大事にして見守って欲しいと呼びかけています。この夏、このガイドブックを使って、あなたも子どもと一緒に“科学者”を目指してみませんか。
このガイドブックは、7月19日にツイッターで紹介されるとたちまち話題となり、10日あまりで2万7000いいねされています。