“法改正で行動制限を”専門家から意見
政府は新たに京都や兵庫など7府県に緊急事態宣言を発出し、すでに宣言が出ている東京なども9月12日まで延長します。感染拡大を食い止めるための有効な手段とは何なのか。専門家からは個人に対する厳しい措置を求める声も上がりました。
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繰り返される緊急事態宣言の追加と延長。
政府分科会 尾身茂会長
「個人、一般の人々、市民に対する行動の制限というのは、これはまったく今まで、これまでお願いベースでやってきた。(個人の)感染リスクの高い行動を避けることが可能になるような新たな法律の仕組みを」
専門家が今後のために準備が必要だと話したのが「個人の行動の制限」。現在、日本では個人に対して強制力を持って私権を制限する法律はなく、海外で行われているようなロックダウンはできませんが、専門家からは、今後、個人の行動を制限できるよう法改正を求める意見が出ました。
政府分科会 尾身茂会長
「個人の努力、個人の協力にお願いするだけでは、なかなか乗り越えられない」
感染力の強いデルタ株(インド型)への置き換わりが進み、急速に感染が広がる中、政府は東京・大阪などに出ている緊急事態宣言の期限を9月12日まで延長。新たに茨城・栃木・群馬・静岡・京都・兵庫・福岡の7府県が宣言の対象地域に追加されます。
まん延防止等重点措置については、新たに宮城・富山などが追加され、合わせて16道県に適用されます。
そして17日、東京では新たに4377人の感染を確認。8月3日の3709人を上回り、火曜日としては過去最多となりました。
また、17日は、大阪で過去最多の1856人の感染を確認するなど、各地で過去最多を更新し、全国的にも感染が拡大しています。
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夏の甲子園にも影響が出ています。
日本高等学校野球連盟 八田英二会長(17日午後3時すぎ)
「宮崎商業高校は陽性者が13人、保健所から8人の濃厚接触者の連絡があり、緊急対策本部としては集団感染とみなしたことを代表校にお伝えしました」
選手ら13人の感染が確認された宮崎県代表・宮崎商業。日本一を目指し、19日に初戦を迎える予定でしたが、学校側は出場辞退を決めました。
宮崎商業 門田誠校長
「この大会に向けて練習を重ねてきた生徒たちの心情、これを察しますと言葉が見つからないのが素直な気持ちです」
沖縄県では大規模な院内クラスターが発生。うるま市にある高齢者向け精神科病院の「うるま記念病院」では、7月中旬からこれまでに入院患者173人、職員23人の合わせて196人が感染し、このうち、患者64人が亡くなったということです。
(news every.2021年8月17日午後6時ごろ放送)