国と都の要請も…医療現場の厳しい状況
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、医療現場は対応に追われています。また、自宅療養者が増える中、需要が急増している医療機器もあります。
日本医師会・中川会長「医療・病床のひっ迫への対応は、強力に行うべきであり、日本医師会としても、全面的に協力します」
国と東京都は、都内すべての医療機関や医療従事者などに対し、最大限の病床確保と人材派遣について要請をしたばかり。都内でクリニックを営む医師は…
新宿ホームクリニック・名倉義人院長「現在コロナの対応をしている先生方は限界までやってらっしゃる先生方だと思うので、ここからさらに体制を拡充して診療するのはなかなか難しい状況」
こちらのクリニックでは現在、診療の時間外に発熱外来の受け入れや、自宅を訪問する往診を行っていて、労働時間はすでに限界に。その上で、スタッフを別の機関へ派遣する要請については――
名倉院長「うちのクリニックから人を出すのは当然ながらまったくもって難しい。在宅での療養をサポートしていくのが開業医としての役割かなと」
増える自宅療養者。
「家庭内感染が起きるのは覚悟していたので」
家族でコロナに感染した40代の父と小学5年生の娘です。今月20日、まず父親が発熱。その2日後に、妻と娘も不調を訴え、その後、全員の陽性が判明したということです。父親が気にかけていたのは…
父親「肉体的なダメージより精神的なダメージが結構あるよねという話を(妻に)したんです。親がどうしようと言っていたら子供は絶対不安になるし」
娘への影響です。
父親「(感染は)あり得るよって話をしました」
娘「コロナかもしれないって思いましたけど、風邪だったらいいなと」
家族を安心させるため、不安をあおるような言動には気をつけたといいます。
父親「子供がいかに安心できるかという環境づくり、前もってかかることはあり得ることだと家族で共有しておいた方がいい」
娘は現在も味覚と嗅覚障害があるということですが、幸い軽症で、家族3人で自宅療養を続けています。
こうした自宅療養者が増える中、需要が高まっているのが、動脈中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターです。
小池メディカル 技術本部長・高野英一さん「5波といわれる5~7月と比較すると8月では(出荷が)5倍を超える数字になっています」
在宅医療機器などを取り扱うこの会社では、8月に入りパルスオキシメーターの需要がそれまでのおよそ5倍に急増。取引先の多くが各自治体の保健所で、最近では子供用サイズの問い合わせも増えているということです。
高野さん「子供のコロナ感染も増えているということで、そういったことも一部背景にあるのではないか」
緊急事態宣言のさらなる拡大により、感染爆発を止められるのか。正念場が続いています。