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瀬戸内海がゴミ箱になる日

2021年9月3日 14:41
瀬戸内海がゴミ箱になる日

瀬戸内海にたまる大量のゴミと日々格闘する人がいます。

「ひどいね。瀬戸内海の現状です。瀬戸内海のゴミは、ほとんどが日本人が捨てたゴミ。外国のゴミはなかなか入ってくる地形じゃないですよね」

岩田功次さん。5年前から始めている船を使った大掛かりな瀬戸内海全域のゴミ拾い。

岩田さん「クジラも、カメも、アザラシもこういうふうなやつに絡まって死んでいくんよ。黙って死んでいくんよ。人はな、うじゃうじゃ文句言うて訴訟とか起こすけど、自然生物は黙って死んでいくんよ。誰やこれ捨てたん…海で生きてる人やないんか」「1か所(の浜)に2トントラック1台分ぐらいずつありますよね。こういうふうな大きい発泡スチロールは、その時には、大網で7杯8杯ですね。拾ってますね」

私たちが捨てたプラスチックゴミ。そのゴミが、瀬戸内海に流れ込み、風や潮の流れで海岸に集められ、何十年も堆積し、層を作り出しています。分解するまで400年以上かかるといわれ、2050年には、海のプラスチックの量が、魚の量を上回ると考えられています。

岩田さん「ここだけでも4年間かかってこれですよ。ここのゴミすごいあると思いますけど、発泡スチロールの白いのないでしょ。これはでっかいでっかい網、25個、30個入るでっかい網に15袋拾いました。黒い真珠養殖のブイは450個拾ってますね。全然きれいになってないような感じですけど、これは相当きれいになってる」

船を使ったゴミ拾いには、ばく大な費用がかかります。

岩田さん「僕、ゴミ拾いしはじめたらね、お金たくさん使っちゃって」

ゴミ拾いにかかる費用は、年間約1000万円。本業はサインデザイナー。ゴミ拾いの活動のため、仕事も減らしています。様々な助成金を申請し、なんとか活動を継続しています。1人で拾いきれません。家族や地元の仲間たちも一緒に手伝います。

この日拾ったゴミは、大型の発泡スチロールや家庭用のプラスチックゴミなど、2トントラック20台分。瀬戸内海をゴミ箱にはさせない。岩田さんの覚悟のゴミ拾いは続きます。

岩田さん「もうジジイは、すぐ死ぬけんの、10年くらいは頑張るぞ、ゴミ拾い。ほやけど、ただ拾うだけではなしにな、やっぱ、拾う仕組みを作らんといけんな。まあまあ、できよるで少しずつ、かっこいいクソジジイでやりますよ。ハハハハ…よし帰るぞ」


2021年8月22日放送NNNドキュメント’21『瀬戸内海がゴミ箱になる日』(南海放送制作)を再編集しました。

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