ホームレスの集団接種“本人確認に抵抗感”
東京都台東区で行われた、ホームレスの人たちへの新型コロナのワクチン接種。課題も浮き彫りになっています。
10年ほど路上生活を続けているという、40代の男性。
路上生活する男性(40代)
「普段はすぐ(チラシは)捨てちゃうんだけれども、これはやばいんじゃないかと思って、とってあるんです」
ホームレスの人が対象の集団接種を知らせるチラシを持っていました。
路上生活する男性(40代)
「炊き出しの団体ですが、私たちが面倒見ますから、ぜひ打ってください。野宿者でも打てますって」
10日と11日に、ホームレスの人たちへの集団接種を行った台東区。区によりますと、住民登録とは違う場所にいるホームレスの人たちは接種券を受け取れないため、支援団体と連携してチラシを配布して告知。氏名や生年月日などを聞き取り、接種券を発行する手続きを行いました。
接種を行ったのは89人。しかし、中には、接種をためらう人もいるのです。
路上生活する男性(40代)
「自分のことをできるだけ言いたくないっていう人が、ほとんどですよ」
話をしてくれた男性も、チラシを残してはいましたが、接種の際の本人確認に抵抗があるため、現時点では接種を受ける気はないと言います。
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接種を巡ってはこんな課題も――
自立サポートセンター・もやい 大西連理事長
「打ちたくても情報のない方、どこの自治体で相談していいのか分からないという方、そういう相談が寄せられることもあります」
ホームレスの人向けの接種を行う自治体もありますが、接種の情報から取り残される実態があり、支援を行う団体には、多くの相談が寄せられているということです。
自立サポートセンター・もやい 大西連理事長
「野宿している場所とか地域によって、ワクチン打てる人、打てない人がでるって、本当に命に直結すると思うので、そこが一番懸念しているところですね」