私有地に廃棄物の山…外国人が所有か 「ゴミが飛んでくる」悪臭も “現時点では撤去できない” 群馬・桐生市
群馬・桐生市にある私有地で大量の廃棄物が山積みとなり、近隣住民からは困惑の声があがっています。土地の所有者は埼玉県内の外国人とみられ、敷地面積は約4400平方メートルもあります。県によると、これまでに市民から約60件の通報が寄せられていますが、現時点では廃棄物を撤去できないといいます。いったい何が起こっているのか、現場を取材しました。
◇
3日、大量の廃棄物が積まれている私有地へ向かうと、近くに住む女性が廃棄物の山を見ながら「だから、風が吹くとね、ゴミが飛んでくる」と訴えていました。
塀で囲まれた私有地の中には、掃除機とともに置かれたテレビ、ビニール傘などが…。大量に積まれた畳は、むき出し状態となり、腐っていました。家財などが積まれた大量の廃棄物の高さは塀を超えています。
塀の周りを歩いてみると、廃棄物の重みのせいか、フェンスが倒れそうに傾いている所もありました。また、布やビニールのようなものなどは、今にも風で飛びそうでした。風で飛んできたのか、近くの住宅の前までゴミが散乱。今、廃棄物が近隣住民の悩みの種となっています。
近隣住民
「かびくさいにおいですよね。洗濯物も干しておけないような…においがうつっちゃいますよね。風が吹いた時なんか、もろにね」
「大きいのは飛んでこないけどね。ただ軽いものがくるから…ビニールとか、発泡スチロールだとかいろいろだよ。ゴミというゴミがほとんど来ている」
この時期は風の強い日が多く、特に影響が大きいといいます。
◇
登記簿によると、この私有地の所有者は埼玉県内の外国人とみられ、2021年5月に土地を取得しました。敷地面積は、約4400平方メートルもあります。
住民が去年6月に撮影した映像には、ショベルカーのアームを動かし、トラックの荷台から廃棄物のようなものをかき出している様子が映っていました。
近隣住民
「いきなりフェンスで囲い始めて、ゴミが次から次へと持ち込まれたのが、2021年のゴールデンウイークの頃からです。ものの10~15分くらいで(ゴミを)捨てて、すぐいなくなっちゃう」
さらに、去年8月に住民が撮影した別の映像では、私有地の入り口の前に立った人物があたりを見回し、その後にトラックが入っていく様子も映っていました。
近隣住民
「(自治体の)監視の目をかいくぐりながら、うまく捨てていっているんですね」
住民は、県などに廃棄物の撤去を相談しているといいます。県によると、これまでに市民から約60件の通報が寄せられています。
県は監視を強化し、週に2~3回の見回りを行い、業者が来たら改善するよう指導しています。ただ、廃棄物が敷地内でとどまっていて、現時点では周辺の生活環境に支障を来していないと判断していることから、撤去ができないといいます。
今後の対応について、県の担当者は「今後、周囲の生活環境に支障が出ていると判断すれば、行政代執行によって必要な分だけ除去する可能性はある」としています。
近隣住民
「撤去してほしい。できれば、きれいに更地にしてほしいですよね」
住民の悩みの種は解消されるのでしょうか。住民は、景観のいい姿を取り戻すことを求めています。