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教室で上履き“履かず”授業 そのワケは

2021年9月23日 19:29
教室で上履き“履かず”授業 そのワケは

子どもの頃に慣れ親しんだランドセルや上履きですが、実は今変化が起きています。そこには、防災上の理由や、経済的な負担を小さくするための取り組みがありました。

◇◇◇

22日、都内の小学校では、校舎の中で上履きではなく、スニーカーを履く児童の姿が。

実はこの学校では、登校時に上履きに履き替える必要のない、一足制を採用しているのです。

中野区立美鳩小学校・佐藤民男校長「一足制なので、靴箱、げた箱が必要がないということで、なんにもありません」

なぜ履き替えをやめたのでしょうか。

中野区立美鳩小学校・佐藤民男校長「防災の観点からいいますと、スムーズに避難ができます」

区の方針で、普段の移動だけでなく、避難時間も短縮できることなどから、一足制を導入した小学校。廊下を汚さないため、校庭は土ではなく人工芝になっているといいます。




多くの人が慣れ親しんできた上履きですが、専門家は、明治はじめの学校ではもともと靴自体はいていなかったと話します。

神戸女子大学家政学部家政学科・砂本文彦教授「はじめはお寺とか民家といった転用された建物が学校の建築の始まりになるんですけど、畳の部屋が多いですので、そこで靴を脱いで学校で授業を受けると」

これは、その後の明治の半ばに建てられた西洋式の校舎の平面図で、昇降口と書かれていて、西洋建築の学校でも、靴を脱ぐ文化が引き継がれ、素足か足袋をはいていたと考えられているということです。

そして、昭和の中頃になると。

神戸女子大学家政学部家政学科・砂本文彦教授「だいたい1960年代くらいから各学校にいわゆるシューズというのが入ってきます」

上履きの導入には、ケガの防止や、足元の冷えなどを防ぐ目的があったと考えられるといいます。

こうして、今の上履きが使われることおよそ60年。中野区では、校舎の建て替えとともに、現在3つの小学校で、上履きに履き替えない、一足制を取り入れているといいます。

また、都内の小学校でも、こうした取り組みは進んでいるということです。




一方、富山県の立山町では、小学生の女の子と男の子が背負っていたのは、通学用リュックサック。

立山町ではランドセルではなく、このリュックサックが無料で配布されるようになるのです。

その理由を、立山町教育委員会・青木正博教育課長は「(新入生が)小学校用品を準備される中で、ランドセルというものが非常に高額なものになっていると。コロナ禍になってきて保護者さんたちが、なかなか経済的にも苦しくなってきているんじゃないか」と話しています。

核家族が増える中、子育て世代の負担を減らしたいという思いがありました。

また配布は、再来年に入学する児童、およそ180人が対象で、使用を強制するものではないといいます。

そして、配られるリュックは、公募の結果、町内に店舗があるアウトドアメーカーが製作。

モンベル・辰野勇会長「軽いっていうことが、まず一番大事な点だと思います。それだけじゃなくてやっぱり担ぎやすさ、6年間使っていただくので」

登山の技術を生かし、重さは900グラムほどと軽量で、生地には丈夫なナイロンを使用。防水加工もされています。

時代ともに変わりゆく学用品。

立山町教育委員会・青木正博教育課長「変えるべきものは変えていってもかまわないと思います。時代のニーズに沿ったモノで柔軟に対応していくっていうのは、また大切なものだと私は考えております」

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