学校版ウーバーイーツを実現!『Rオーダー』【ちゃれんじ探究クラブ】
千葉県、昭和学院高等学校3年の鍋田櫂です。よろしくお願いします。
――鍋田さんが取り組んでいるプロジェクトは何でしょうか。
学校版ウーバーイーツを実現するデリバリーサービス「Rオーダー」というタイトルのプロジェクトです。
――何か食べ物が運ばれるサービスを鍋田さんが作っているということですか。
はい、学校内で店舗営業しているコンビニの商品を生徒がオンライン注文することができ、教室までその注文した商品を配達してくれるアプリを開発しました。
生徒は学校からiPadが配られているので、そこからコンビニで食べたい商品を注文することによって、授業中に配達してくれるものになります。
――めちゃくちゃ便利なアプリですね。もうすでに使えるんですか。
はい。今はお弁当の注文だけ、実店舗で受け取りに行くようにしているのですが、すでにアプリは導入されています。
――そういったアプリをなぜ作ろうと考えたんですか。
それはお弁当を持って来ていない生徒が、頑張って10分の休み時間にダッシュで、コンビニにお弁当を購入しに行くということです。コンビニに行って並んで商品を注文して、そしてクラスに帰ってくるとなると、10分の休み時間ではなかなかできず(授業に)遅れてしまうし、中には学校を走っている生徒などがいて、そういうところに課題を感じるようになりました。
――そのアプリの開発には、どれぐらいの時間と人数で完成させたんですか。
実際に取り組んだのは高校1年生からで、コロナ禍に入って授業が休講となっている際に空いてる時間を見つけて、自分で独学するようになりました。全ては1人で行っています。
――実際に使えるアプリにするために大変だったことはありますか。
最初の段階では、学校の先生にこのようなアプリができましたと持っていったところ、便利だよねと認めてくださったものの、実際に活用するとなると、例えば授業中に生徒がiPadで商品を注文してしまうのではないかとか、そういった部分の疑問がたくさん出てきました。
そういった部分に関しては、例えば授業時間ではアプリで商品を購入できないように、機能として「授業中は購入できません」と表示するようにしたり、改善を何度も行ってきました。
――そういった改善を積み重ねて、先生からも了解を得ることができたってことですか。
いきなり全校規模を行うのではなくて、今後このアプリを使うことで何かリスクはないのか。そういった部分のリスクマネジメントを行って導入にこぎつけました。
――コンビニエンスストアの店員さんからはどんな提案や要望があったんですか。
今はお弁当を前日に、「明日はこれだけのお弁当が注文されるかな」と予測して(店が)発注しているんですね。(しかし)実際は「これだけのお弁当が余ってしまった」というようなフードロスの問題を持っていました。
そこで実際に生徒がお弁当の注文を行って、その数をもとに(店が)発注するという解決方法をとることで、フードロスの問題の解決ができるのではないか。
そういった販売者側の声をいただいています。
――それはとても販売する側にとっても深刻な問題というか。お弁当が売れ残ってしまうというのは環境にも負荷がありますし、お店にとっても負担ですもんね。
はい、まさに生徒の便利さだけではなくて、環境だったりとか、SDGsへの取り組みも行えるのではないかなと感じています。
――今、実証実験をし始めるところですか。
はい。今は生徒40人に対してアプリを使ってもらい、テストを行っています。
――使ってみた生徒の皆さんの反応はどうですか。
はい、やはりiPadで注文することができるので、とても便利だなという意見をいただきました。また、実際に今日はどの弁当を注文するといった会話も生まれていると、生徒から声をいただきました。
――先生方はどんなことをおっしゃっていますか。
はい、自分で学校の中にある問題を見つけ、さらに解決する。そしてアプリを開発して改善する、そういった部分の一連の流れを行っていることをとても評価してくださっています。
――ご自身としては、この取り組み手応えとしてはどうですか。
「とても便利だ」と生徒が言っているので、とてもいいアプリができたのではないかなと感じています。その一方で、「例えば2日前から商品を注文できるようにしたい」とか、「1週間分まとめてお弁当注文したい」とか、そういう部分のフィードバックをいただいています。
そういった部分に関しては今後開発していきたいと感じています。
――1個作ると、多様なオーダーがまた返ってくるんですね。
どんどん生徒の意見をすくい上げて、新しい機能であったりとか、改善をしていきたいなと感じています。
――学校の授業では、アプリを作るところまでは教えてくれないと思いますが、たった1人で、どうやってその技術を習得していったんですか。
はい。プログラミングの学習に関しては、辞典のようなものがあるんです。英語で書かれているのですが、自分でどんどん読み進めて、どんどん手で動かして調べて学習していきました。
――そのプロセスから成長できたことや、ご自身にとって何か学んだことってどんなことがありましたか。
はい、誰かに何か教わるのではなくて、興味を持った分野について、自分で調べ、自分で学習するそういった一連の流れを学習することができました。
――どんなことを感じましたか。
誰かに何かを言われただけではなくて、自分からどんどん探究心を持って調べていくことにより、学んでいってとても楽しいというふうな気持ちを持ちました。
――今回のプロジェクトを、今後どういう形にしていきたいと考えているんですか。
はい。まずは、私の通ってる学校で全校導入していきたいと感じています。また、例えばホテルだったり、病院などでも同じような使い方ができるのではないかなと考えているので、ホテルや病院などでも導入していきたいなと考えています。
中学校の時に祖父母が住んでいる静岡県まで、父親と一緒に自転車で行ったことがあります。
――どれぐらい時間がかかったのですか。
だいたい3日間ほどかけて無事にゴールすることができました。
――すごい。誰もやったことのないことに挑戦して形にする上で、もし同じようなことにチャレンジしたいと思っている人たちがいたら、どんなアドバイスがありますか。
はい、何か一方的に教えられるだけではなくて、自分から何か率先して取り組んでいくことが大切だと思っています。
――探究学習からこう何か自発的に動くことの大事さを学び取ったと感じました。これからもいろんな挑戦を続けてくださいね。応援してます。ありがとうございました。
聞き手 鈴江奈々(日本テレビアナウンサー)
取材協力 認定NPO法人 カタリバ
全国高校生マイプロジェクトアワード実行委員会