紅葉シーズン直前“宣言解除”観光地期待も
今月30日が期限の緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置について政府は、全て解除する方向で調整しています。紅葉シーズン目前の解除に、観光地からは期待の声があがっています。
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菅総理らによる協議では、全ての地域の緊急事態宣言や重点措置を今月末で解除する方向で最終調整を行っていて、専門家の意見を聞いたうえで28日、正式に決定する方針です。
27日、154人の感染が確認された東京都では…。
会社員(60代)「心配ですけれど、今月いっぱいで解除されることを望んでいます」
また、関係者への取材で、東京都は、飲食店の時短要請を現在の午後8時から午後9時に緩和することを政府と最終調整していることがわかりました。
酒類の提供については、都の認証を受けた店舗のみ、午後8時まで認める方針ですが、時間や人数などの条件を付けることも検討しています。
宣言の解除を期待する声は、秋の観光地でも…。
日光市観光協会・福田栄仁事務局長「解除によって観光地が少しでも潤う、日光にもたくさんの方が来てくれる、これを大変期待している」
栃木県日光市では、宣言で休業中の店も多く、紅葉シーズン直前となった今月末での解除を望んでいました。
年中無休で、雄大な山々を見渡すことができる日光名物のロープウエーも、現在、平日は休業中。売り上げはコロナ前の3割にダウンしたといいます。
明智平ロープウェイ・福田秀二索道長「紅葉のピークを迎えるので、解除していただければ、それなりにお客さんが戻ってくるかな」
解除ならば、営業を再開。年1番の稼ぎ時に備えたいといいます。ただ、観光客の急激な増加には不安を抱く店も。
三ツ山羊羹本舗・三ツ山泰弘代表取締役「人流が急に増えると、次の第6波、緊急事態宣言にもなりかねないので」
解除への期待と不安が交錯するなか、都内の飲食店は、今後への不安を口にします。
焼肉 板門店・木戸大碩オーナー「対応があまり現実的ではないとは思っています」
政府が来月行うとしている行動制限の緩和に向けた実証実験です。飲食店については、客がワクチンの接種証明などを提示したうえ、接種した人としていない人で、利用できるエリアを分けることなどが検討されています。仮に、この店で行う場合。
木戸大碩オーナー「入り口入ってちょっと奥にある、こちらのエリアを接種が終わっている方にご利用いただこうかと思います。入り口入ってこちらの正面のエリアを、接種がまだ終わっていない方にご利用いただくことは可能かと考えます」
しかし、トイレや入り口は1か所しかなく、客同士の接触は避けられないといいます。また、ビルに入居している飲食店「根室食堂」。
根室食堂・平山徳治社長「ここはワクチンを接種された方」
仮に店内をエリア分けすると、およそ16畳の2階を、接種済みの客用に。接種をしていない客は、現在物置になっている3階を使うとしました。
平山徳治社長「3階を案内するといっても、働く人数がいないので」
しかし、店を2人で切り盛りしているため、スタッフを増員しなければ回りません。
平山徳治社長「物理的に不可能な店はありますし、可能な所だけで実証実験をすべきだと思います」
店の事情により、様々な課題が浮き彫りになりました。