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取得で“酒”提供も飲食店が認証辞退のワケ

2021年10月6日 19:52
取得で“酒”提供も飲食店が認証辞退のワケ

緊急事態宣言の解除に伴い、飲食店では自治体の「認証」を得れば、酒の提供などが認められています。しかし、取得した認証を飲食店側があえて辞退する想定外ともいえる動きが一部で出てきています。



6日午前7時すぎの東京・大井町駅には、ホームのスペースにもまだ余裕がありますが、時間を追うごとに人が増え始め、午前8時ごろには利用者であふれていました。

サービス業(20代)「9月も(駅利用者)結構人が多かったけど、10月に入ってからはさらに増えた。サービス業なので、関係なく毎日同じように(出社)していた」

会社員(50代)「まだまだ在宅勤務メインです」

職種によって分かれる宣言解除後の働き方。都内のウェブシステム開発の会社「ケープロジェクト」では。

ケープロジェクト・亀井剛取締役「社員一人一人で考えながら、一番最適な方法で選択をしているというかたちにしています」

出社する日を社員自らコントロールでき、およそ8割の社員がテレワークを行っています。




「GoToトラベル事業」の再開に向けた動きも。

斉藤鉄夫国土交通相「感染状況も勘案し、再開のタイミングや内容を検討してまいります」

斉藤国土交通大臣は、5日に引き続き、GoToトラベルは必要不可欠な重要な事業とし、再開のタイミングについては、専門家らの意見を聞きながら検討していきたいと語りました。

期待を寄せる旅行会社は。

アドベンチャー・春木和也さん「旅行に行ってもいい雰囲気みたいなものが高まってくる。申し込み自体も今よりも増えてくるという期待はもっています」

宣言の解除後から「GoTo」再開を見越した問い合わせが増えているといいます。

そして、政府に先駆けて民間で始まった取り組みもあります。ワクチン接種歴を証明する「ワクチンパスポート」のアプリ、「ワクパス」です。自治体などが発行する証明書と身分証明書を登録すると、行きたい店のクーポンが利用できるようになります。

賛同した飲食店やホテルなどの特典を受けることができるようになるのです。このサービスは、まず10の企業からスタート。アパホテルでは、チェックアウトが1時間無料で延長され、かっぱ寿司では会計から10%引きされます。アプリは近日中に提供される予定です。




経済活動も徐々に動き出す中、6日、東京では149人の感染者を確認。5日連続で200人を下回りました。

千葉県の飲食店では午後9時を過ぎても、酒や料理を楽しむ常連客で賑わっていました。実はこのお店、県が独自に定めた厳しい感染対策の基準をクリアした「認証店」。営業時間や酒類提供の制限がなくなるため、今月から午前0時までの通常営業に戻りました。

認証を得るには63項目ある基準のうち、49項目をクリアする必要があり、県や市による審査が合格までに、何度もあったといいます。

大衆割烹橘・木村浩之代表「認証店になってよかったなと。やったなーという気持ちでいっぱいです」

一方で、「認証店」のシステムには課題もあります。

ACQUA E SOLE・浅野学代表「今は認証店を辞退したので剥がして(ステッカーは)記念としてとってあります」

こう話すのは千葉県の「認証店」第1号だった飲食店。辞退したことで、今は営業時間や酒類の提供に制限を受ける千葉県の「確認店」として営業をしています。

なぜあえて「認証店」を辞退し、制限のある「確認店」へとなったのでしょうか。

ACQUA E SOLE・浅野学代表「(席数を)半分以下に減らしても家賃は変わらないので、(通常営業でも)営業効率はかなり下がり、利益にはつながらないと」

背景にあるのは県からの協力金です。「確認店」には、協力金が支払われる一方、「認証店」には支払われず、営業時間や酒類提供の制限を受けませんが、協力金を上回る利益を得られないといいます。

ACQUA E SOLE・浅野学代表「何かの補助がないと、なかなか認証店という制度が広がらないと思うので、その辺の考慮した制度にしていただければ」

千葉県では、6日時点で「認証店」を辞退した店は3店舗あるということです。