“世界最大”2階建て新幹線 引退への思い
高速鉄道の車両としては世界最大の定員だった新幹線車両が今月1日に定期運行を終了しました。JR東日本の2階建て新幹線「E4系」、愛称「Max」です。幅広い世代に愛されてきたマックス。携わった人にはそれぞれの思いがありました。
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9日のJR大宮駅。2階建て車両の新幹線「E4系」マックスが到着しました。今月1日に定期運行は終わりましたが、9日はツアー用に特別に運行され、多くのファンが集まりました。
藤田大介アナ(9月27日)「仲良く手をつないだ状態で驚異の16両編成、オール2階建て新幹線が高崎駅を出発しました」「思い出に刻まれる熊谷駅、暑かった熊谷駅をE4系マックスは速度を上げて旅立ちました」「たくさんの人生と笑顔を運び続けたマックス。24年間駆け抜けてまいりました」
E4系マックスは1997年に東北新幹線で運行を始め、その後、上越新幹線でも導入されました。新幹線通勤客の増加に対応するため、すべての車両を2階建てにし、座席を増やしたのが特徴です。最大16両編成の定員は、1634人。高速鉄道の車両としては世界最大を誇りました。
マックスに関わった人にはそれぞれの思いがありました。新幹線の車掌の伊藤雅之さん。マックスの思い出はまさに「2階建て」の作りだったといいます。
新幹線の車掌を7年 伊藤雅之さん「2階建てという事もありデッキにお客様が足を踏み入れた瞬間、ワーッという声が上がるんです。(ワーッと声をあげるような)特別な車両に乗務できることが自分の仕事のやりがいであり、生きがいです」
運転士の戸嶋始さんにとっては「乗客の多さ」でした。
新幹線を4年間運転 戸嶋始さん「コロナ前のお客さんがたくさん乗っている時の印象がすごい思い出に残ってます。(マックスは)他の新幹線と比べると車体が重いので加速が少し苦手なのかなと思います」
乗客の大量輸送を狙ったマックス。しかし、車両の構造の問題で最高速度に限度がありました。一部の座席はリクライニングできませんでした。また、一部バリアフリー設備があるものの、階段の上り降りが必要なことが対応を難しくしていました。
入社して17年、マックスの整備に携わってきた細木雄介さん。細木さんにとっては「相棒」でした。
入社17年マックスを整備 細木雄介さん「私の仕事と一緒に歩んできた印象というのがありますので、本当に一時代を築いたじゃありませんが、すごくお疲れさまと言いたいです」
定期運行の最終日の今月1日、最後の列車となった「Maxたにがわ416号」が東京駅に到着しました。
見物客「お疲れ~!」
スピードと快適性がより求められるようになる中、ひとつの車両の役割が終わりました。