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実証実験へ着々、旅行業界「GoTo」期待

2021年10月16日 12:11
実証実験へ着々、旅行業界「GoTo」期待

新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で取られていた行動制限は15日、全国各地で緩和の動きが見られました。夜のにぎわいが戻り、予約で満席になる店も。飲食店では実証実験に向けた準備が進み、宿泊業界は「GoToトラベル」の再開を要望しました。

■広島で福岡で札幌で…街ににぎわい

徐々に日常が戻りつつある中、15日夜、新型コロナウイルスによる制限を緩和する動きが各地で見られました。

時短要請が15日に解除となった広島県。8月から休業していたバーが営業を再開し、店では客が「久しぶりです。カンパーイ!」「うまいですね~」と笑顔を見せていました。

県独自の時短要請が解除された福岡県でも、夜ににぎわいが戻っていました。

北海道札幌市の居酒屋は、「あすはおかげさまでご予約は満席です。不安半分、楽しみ半分。ただ、お客さんの顔を見られて、にこやかに話ができることはやはりうれしいです」と言います。

■飲食店「実証実験」の中身は

埼玉県では15日から、認証店で人数制限などを緩和しました。1つのテーブルにつき4人以内で、テーブル間の移動をしないのであれば上限を設けず、2時間の時間制限も無くします。

上尾市では14日、「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験の飲食店向け説明会が行われました。50店舗をめどに募集します。22日から実施され、参加する店舗には1日あたり2万5000円の協力費が支給されます。

参加する飲食店は、客の来店時に「ワクチン接種済証」または「陰性証明書」などの確認を行い、店内のエリアを分けて案内します。

「確認済エリア」では時間や人数に制限はありませんが、「未確認エリア」では時短要請などの範囲内で退店を求めます。またドリンクサービスなど、店ごとに準備した特典を「確認済エリア」の利用者に提供するといいます。

■「うまく対応できるか」不安も

緊急事態宣言中は売り上げが例年の10分の1だったという上尾市内の飲食店は、実証実験への参加を前向きに検討し、どうエリアを分けるかも既に考えています。

店側は「不安な点は、お客さま対応ですね。やはり、どうしてもお願いすることが増えますので。(実証実験の)この一連の流れがうまく、どれくらい対応できるかは不安はありますけれども。一番は、外食する楽しみをお客さまにまた取り戻してほしい」

■宿泊施設でも…観光庁が実証実験

行動制限緩和に向けた動きは、ホテルや旅館でもあります。観光庁は15日から、新たに108の宿泊施設で実証実験を始めました。

甲府記念日ホテル・宿泊課係長
「(実証実験を行うことで)皆さまが安心して旅行に来ていただける。GoToキャンペーン再開につきましては、非常に期待しております」

「GoToトラベル」の再開に期待が高まります。観光関連の企業や団体などは、GoToトラベル再開など旅行需要の喚起策を求め、国交相に緊急の要望書を提出しました。

一方、東京都では15日に57人の感染が確認され、1週間前の138人から減少。小池知事は会見で、「重症者の病床の使用がまだ長期化していることなど、救命救急医療体制に影響が残っている」と述べました。

小池知事は24日までとしている「リバウンド防止措置期間」の終了時期について、「総合的に判断する」としています。

(10月15日『news zero』より)