国産ワクチン“前倒し”来春にも承認申請へ
新型コロナウイルスの国産ワクチンを開発中の「KMバイオロジクス」が計画を前倒しし、来年春にも薬事承認を申請したいとの考えを示しました。
「KMバイオロジクス」の永里敏秋社長が25日に会見し、インフルエンザのワクチンと同じ「不活化ワクチン」という種類の新型コロナワクチンについて、薬事承認を来年春から夏までに申請し、来年末に供給を開始したいと述べました。
後期の臨床試験は今月22日に開始していますが、その前の初期の臨床試験では、一定の有効性が期待できる結果が示され、接種した105人のうち発熱したのは1人だけだとし、「我々のワクチンであれば接種翌日に出勤できる」と安全性を強調しました。
永里社長は、3回目接種用としての有効性などを確かめる臨床試験を早期に開始するほか、子どもを対象にした臨床試験も来年春までに始める考えを示しました。
国の承認を得るためには、完成したワクチンの最終決定した容量などで臨床試験をいちから行う必要があるとして、KMバイオロジクスは、およそ2000人を対象にした臨床試験を、来年、アジアで行うことも発表しましたが、その結果を待つと承認の申請が2023年になるということです。
KMバイオロジクスは、安全性は確認できていると述べ、ファイザーやモデルナ製など今ある新型コロナワクチンを打てないアレルギーの人や子どもにむけた選択肢を増やせるとして、早い承認の意義を強調し、規制当局の判断次第だとしながらも、アジアでの新たな臨床試験の結果を待たずに、国内で実施中の臨床試験や今後始める3回目接種の臨床試験で有効性を示すことで、条件付きの早期承認を得られるよう調整していきたいと述べました。