子宮けいがんワクチン「積極的勧奨」再開へ
接種の積極的な呼びかけを中止している「子宮けいがんワクチン」について、厚生労働省の専門家部会は、8年ぶりに呼びかけを再開することを了承しました。
子宮けいがんの原因となるウイルスへの感染を防ぐためのワクチンについて、専門家部会は12日、有効性に関する新たな科学的根拠が確認されたことや、安全性についても特段の懸念は認められないとして、国が接種を積極的に呼びかける「積極的勧奨」を再開することを了承しました。
子宮けいがんワクチンは、2013年に小学6年生から高校1年生の女性が無料接種の対象となりましたが、接種後の全身の痛みなどの報告が相次ぎ、「積極的勧奨」を中止していました。
専門家からは、接種後のさまざまな症状をみる協力医療機関の充実などの必要性が指摘されました。また、中止していた8年間に接種しなかった人への対応については、15日の専門家会議で検討することとなりました。
一方、接種後のさまざまな症状を訴え、国などを相手に裁判を起こした女性らは会見を開き、「深刻な被害実態と科学的知見を無視した、極めて不当な結論といわざるを得ない」と抗議しました。
中高時代に接種・梅本美有さん(23)「今いるたくさんの被害者に対し全く支援をしていないのに、治療法がないのに、積極的勧奨を再開すれば、被害者が増えることは火を見るより明らかです」
厚労省は、積極的勧奨の再開の時期を検討した上で、近く、正式に自治体へ通知する見通しです。