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モデルナ接種後の心筋炎等 改めて議論へ

2021年10月14日 0:29
モデルナ接種後の心筋炎等 改めて議論へ

新型コロナウイルスのワクチン接種後、若い男性に、ごくまれに心筋炎や心膜炎が起きるとして、スウェーデンなど一部の国では、若い人へのモデルナ製のワクチン接種を中断していて、日本の厚生労働省の専門家部会でもこの副反応について検討してきましたが、今月15日の会合で、改めて議論することになりました。

厚労省のまとめによりますと、今年9月12日時点で心筋炎や心膜炎が疑われるとして報告された例は、ファイザーのワクチン接種後では、10代男性で100万人あたり1.87件、20代男性で13.08件なのに対し、モデルナのワクチン接種後では、10代男性では100万人あたり21.60件で、20代男性では17.06件でした。

一方、10代20代の女性では、100万人あたり0件から1.94件と男性より少なくなっています。

厚労省は、接種された人の属性がワクチンの種類ごとに異なることに留意が必要であるものの、ファイザーのワクチンでは20代男性の報告頻度が他の年代に比べて高く、モデルナのワクチンでは10代及び20代男性の報告頻度が高いという傾向が確認されていると解説しています。

実は、若い男性は、新型コロナウイルスに感染することで心筋炎や心膜炎になることもあり、国立国際医療研究センターがまとめた今年5月末までの統計では、その頻度は、15歳から39歳の男性で100万人あたり834人となっています。

厚労省は、心筋炎の専門家の見解として「ワクチン接種後の心筋炎や心不全の疑い例の頻度やその重症度、突然死の報告頻度よりも、新型コロナウイルス感染後のそれらの発生頻度は高く、重症です」と紹介しています。

こうしたことから、厚労省は、「ワクチン接種のメリットの方がリスクより大きい」と説明しています。

厚労省は、若い男性について、モデルナのワクチン接種の「中断」はしないとみられますが、15日の部会では、最新のデータをもとに、専門医らが「10代20代の男性がワクチンの種類を選べる場合は、モデルナよりもファイザーを選んで接種するよう勧めた方がよいかどうか」などを慎重に検討する見込みです。

なお、ワクチン接種後の心筋炎や心膜炎の場合、典型的な症状としては、接種後4日程度の間に、胸の痛みや息切れがあることが想定され、軽症が多いということです。