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HPVワクチン積極的勧奨再開求め署名提出

2021年8月31日 0:19

国による積極的な接種の呼びかけを一時中止してから8年以上が経過した「子宮けいがんワクチン」について、産婦人科の医師や国会議員らが積極的勧奨の再開を求めて、5万5000人あまりの署名を国に提出しました。

子宮けいがんの原因であるHPVウイルスの一部への感染を防ぐワクチンについては、厚労省が定期接種に位置付け、小学校6年生から高校1年生相当の女の子は、接種を無料で受けられます。

接種を促すため、自治体から対象者に個別に通知する「積極的勧奨」を始めましたが、接種した少女らが身体の痛みなどを訴える例があったため、厚労省は、2013年6月、積極的勧奨を一時、中止し、8年以上が経過しました。

こうした中、国会議員と産婦人科医が30日、田村厚生労働大臣を訪れ、早期の積極的勧奨の再開を求め、およそ3日間で寄せられた5万5600人分あまりの署名を提出しました。

このワクチンを無料で接種できるのは高校1年生までで、ワクチンは合計3回打つ必要があります。

大臣との面会後、取材に応じた議員らは、「いまの高校1年生が打ち終わるには、10月までに1回目を打たないといけないということから、ぜひとも10月までにはメッセージを出して(積極的勧奨を)再開してほしい」と訴えました。

これに先立ち行われた加藤官房長官との面会では、ノーベル賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授がオンラインで出席し、「日本でこの8年間打たなかったことによって、若い女性の子宮けいがん(の割合)が上昇している。世界中できわめて珍しいことだ」と懸念を示し、積極的勧奨の早期の再開を求めました。