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オミクロン株の特徴は 接種が重症化防ぐ?

2021年12月6日 20:00

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大を防ぐ対策はあるのでしょうか。最前線で診療を行っている医師の意見もまじえて、詳しく解説します。

6日、国内で3例目となるオミクロン株への感染が確認されました。30代の男性で、イタリアに滞在歴があり、今月1日に羽田空港に入国したことが分かっています。

    ◇

■3回目接種の前倒し…首相表明 モデルナ製を活用か

オミクロン株への感染拡大が懸念される中、3回目のワクチン接種について6日、岸田総理大臣は所信表明で次のように述べました。

岸田総理
「感染防止に万全を期す観点から、既存ワクチンのオミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で、優先度に応じ、追加承認されるモデルナを活用して、8か月を待たずにできる限り前倒しします」

3回目のワクチン接種は、今月1日より医療従事者からスタートしましたが、これはファイザー製のワクチンを使って行われています。

また、接種時期については「2回目の接種完了の8か月後」から順次、接種することを原則としていました。

6日、岸田総理は、追加承認されるモデルナ製を活用して、8か月を待たずにできる限り前倒しすると述べました。

現在使われているファイザー製のワクチンは、3回目の接種を前倒ししても、輸入時期は前倒しできないので、足りなくなってしまうということです。

関係者によると、モデルナ製のワクチンは現在、1、2回目の接種で余った1500万回分の在庫があるため、承認されれば3回目の接種に活用することも検討されているということです。

■ノルウェーで集団感染確認…重症者おらず症状なかったか

オミクロン株の感染者は、世界各地で拡大しています。

6日午後4時時点でオミクロン株の感染者が確認されているのは、46の国と地域です。

この週末、アフリカでも新たに、チュニジア、セネガルなど感染地域が広がっています。そして6日、新たにタイでも確認されました。

北欧のノルウェーでは、パーティーでの集団感染も確認されました。

地元メディアなどによると、先月26日、ノルウェーの首都・オスロで、地元企業が、100人以上が集まるクリスマスパーティーを主催したところ、参加者のうち少なくとも13人がオミクロン株に感染していることが確認されました。

感染者の中に重症者はいなかったということです。パーティーの参加者全員がワクチンを接種済みで、当時、症状もありませんでした。

ワクチンを接種したのに感染し、症状はなかったとなると、特徴が分かりづらいです。

■ワクチンが重症化防ぐ?“軽症が多数”に心配な面も

そのオミクロン株、どのような特徴があるのでしょうか。

南アフリカ医師会の会長で、60人以上のオミクロン株患者を診療しているアンジェリク・コエツィ医師の最前線での見解を、主に次の3つの観点からお伝えします。

1.感染力について
2.どのような症状か
3.ワクチン接種で違いは

まず、感染力については、毎日患者を診療するコエツィ医師からみて感染の拡大が速く、感染力が明らかに強いと話します。感染者数が急激に増えているので、デルタ株より高い感染力があるといえると思うといいます。

次に、どのような症状があるのでしょうか。デルタ株の場合は発熱や味覚・嗅覚がなくなるといったはっきりとした症状が出ますが、オミクロン株はとてもあいまいな症状だということです。

主な症状としてあげたのが、次の症状です。

・頭痛
・疲れ
・筋肉痛のような体の痛み
・のどのかゆみ
・せき

熱っぽくなる人もいたとのことですが、診察した患者の中に発熱した人はいないといいます。

デルタ株に比べて特徴的な症状がないことから、感染したほとんどの人は気づいていなかったのでは、とも指摘していました。

また、コエツィ医師の病院では、大多数は軽症患者で、死者や重症患者は出ていないといいます。ただ、今後、重症化する人が出てくるかもしれないということで、現時点では重症化リスクもまだ否定できないと言っています。

そして、ワクチン接種の有無で違いはあるかどうかについては、接種した人は症状が軽いといいます。体の痛みや頭痛、疲れが出ますが、接種していない人よりはひどくはなく、年齢にかかわらず、全員症状は軽いということです。

コエツィ医師は、「断言するにはまだ早いが、ワクチンが重症化を防いでいるように見受けられる」と言っています。

軽症が多いという話ですが、だからこそ心配な面もあるという指摘もあります。感染制御学が専門の東邦大学感染制御学研究室・小林寅てつ(吉を2つ横に並べる)教授に話を聞きました。

南アフリカのコエツィ医師の見解については、「風邪の症状と非常によく似てきている。症状が軽いので、ほうっておくと感染を広げてしまうのが懸念材料のひとつ」と指摘しています。

「多少、体が無理できそうな症状であっても、変異株が広がっている状況を念頭において、早めの診断と検査をしておくことが大事」とし、また、「感染者が増えると、ヒトヒト感染を繰り返すので変異をする可能性が高くなる。感染を抑えて変異が起こる頻度を減らすことも大事」と話しました。

つまり、今後このオミクロン株が変異していく可能性の観点からも、感染者の広がりを早期に抑える方がいいと指摘していました。

    ◇

オミクロン株の特徴が徐々に明らかになっていますが、まだ分からないことも多く、軽視することはできません。これまでの感染対策を徹底して行うことが重要です。

(2021年12月6日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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