自宅待機者がオミクロン株に感染…経路は?
新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者が日本でもじわじわ増えていて、これまでに分かっているのは13例です。また、海外では市中感染も広がっていて、警戒が必要です。
■自宅待機者がオミクロン株に感染…経路は?
まずは、国内の感染者の事例をみてみましょう。10日はオミクロン株の感染が新たに8人確認されました。
厚労省によりますと、8人は先月28日から今月7日に入国した男女8人です。ナミビア、アメリカ、モザンビーク、コンゴ民主共和国に滞在歴がありました。濃厚接触者は、この人たちが乗っていた5つの便の同乗客全員で、471人にのぼります。
これまでは指定された施設で待機中に判明し、すぐ医療機関で隔離できていました。しかし、11日に分かった13例目は、自宅待機となった人がオミクロン株への感染が判明した初めてのケースです。
岐阜県海津市に住む外国籍の40代の男性で、県や厚労省によりますと、男性はスリランカからカタールのドーハを経由して今月4日、成田に到着しました。到着時は無症状で、検疫所での検査も「陰性」でした。そのため岐阜県の自宅に戻って、14日間の待機を行っている最中でした。
現時点では、スリランカからの帰国者は宿泊施設での待機の対象ではありません。男性は成田空港から自宅までは友人が運転する車で移動し、到着したのは5日の未明です。その後、7日に自宅で発熱などの症状が出たといいます。
8日に同じ飛行機の乗客がオミクロン株に感染したと確認され、男性は濃厚接触者となり入院しました。9日のPCR検査では、新型コロナ陽性が確認されました。そして、ゲノム解析の結果、11日にオミクロン株だったことが分かりました。
男性は1人暮らしなので、新たな濃厚接触者となったのは岐阜の自宅まで車で送った友人で、この人は愛知県の人です。10日、PCR検査を受けて陰性でしたが、濃厚接触者として宿泊施設に待機しています。
しかし、宿泊施設の待機は10日からで、成田から岐阜に男性を送り届けた後から10日までの行動は分かっていません。本人もそうとは知らなかったので、その間は仕事、買い物、食事など自由に出歩いてよかったわけです。
■自宅待機でなく、管理できる場所の確保も重要
自宅待機中に濃厚接触者と判明したケースは他にもあります。カナダから帰国した19歳の男性は5日に入国。そこから施設に移動し、3日間の待機を経て、検査も陰性ということで両親が迎えに来て車で実家へと帰り、外出などはせず待機期間を過ごしていました。
しかし10日、同じ飛行機の乗客がオミクロン株に感染したことが確認され濃厚接触者となり、12日、再び待機用の宿泊施設に行くことになりました。ご本人に話を聞きました。
自宅待機中に濃厚接触者になった学生(19)
「(普段の食事は)うちは3人家族なので、母親、私、父親で普通に円を囲うように座っているという感じです」
――両親は仕事やお出かけは?
自宅待機中に濃厚接触者になった学生(19)
「仕事行ったり、買い物行ったりもしています」
男性は実家では、マスクをせず両親と食事や会話をして過ごしていましたが、両親は待機の対象になっていないということです。
このように、入国時の検査結果とオミクロン株かどうかのゲノム解析の結果にはタイムラグがあります。
国際医療福祉大学成田病院の松本哲哉先生は「入国から14日間の管理は重要になる」とした上で「自宅待機をどこまでしっかりやるかは本人に任せている部分もある。自宅待機じゃない管理できる場所をしっかり確保することも重要」だと仰っていました。
■イギリスではオミクロン株の市中感染
一方、イギリスではオミクロン株の市中感染が複数の地域で起きていて、感染者が急拡大しています。イギリスの保健当局は、新たに国内でオミクロン株の感染が1239件報告されたとし、これで合わせて3137件になったと発表しました。1日1000件以上の感染が報告されています。
さらにイギリスの保健当局は10日、国内のオミクロン株の感染者数が、今月中旬にもデルタ株と同程度になるとの見方を示しました。増加傾向が続けば、現在は1万人以上と推計されるオミクロン株の感染者が、今月末までに100万人を超える可能性もあるとしています。それだけデルタ株から急速にオミクロン株に置き換わっていて、オミクロン株の感染力が強いとみられます。
オミクロン株への危機感が高まっています。取るべき対策は同じですので、これまで通りマスクの着用、手洗い、3密を避ける、寒くなりましたが、換気も大切です。感染対策をしっかりしていきましょう。
(12月13日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)