接種証明アプリ「確認の行列が…」課題も
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者は20日、東京、沖縄、そして群馬県でも新たに確認され、空港検疫を含めると過去最多の17人となりました。こうした中、20日から「ワクチン接種証明アプリ」の運用が始まりました。
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いま、深刻な事態に陥っているのが、沖縄県です。
沖縄県 玉城知事
「(直近1週間で)186名の新規陽性者が確認される事態となっています。(専門家から)基地内でオミクロン株の感染が広がっているおそれがあると」
県内最大の米軍関連クラスターとなっている、沖縄の米軍基地キャンプ・ハンセン。
直近1週間で陽性者は186人にまで拡大し、20日新たに基地従業員の日本人女性1人のオミクロン株感染が明らかに。
これまでにオミクロン株への感染が確認されているのは、軍属のアメリカ人女性やその夫など3人です。
20日、感染が判明した女性は4人目で、基地で働く日本人男性の同僚です。ただ、同僚男性とは遺伝子の型が違うことから、感染源が別にある可能性が高いといいます。
──遺伝子の型が違うとは、どういうことが予測されるのか?
沖縄県 玉城知事
「1人の濃厚接触者ではなく、違う方からそれぞれがうつっているということですから、基地内での感染が広がっているものと。軍人の方々、マスクをせずに普段行動することと、基地の外に出て飲食を楽しんでいるという話もある。それが市中に広がってしまう事は絶対にあってはならない」
さらに、群馬県や東京都でも、海外から帰国して待機中だった男性の感染を確認。空港検疫でも14人の感染が判明し、国内の累計の感染者は82人となりました。
等々力陸上競技場で行われたサッカー天皇杯の準決勝では、オミクロン株感染が判明した20代の男性が観戦していたことが、明らかになっています。
準決勝と決勝、どちらも観戦したという女性に話を聞きました。
──決勝での感染対策は?
準決勝・決勝を観戦 大分サポーター
「かなり何回も、感染対策に関する注意事項アナウンスが、試合中でもアナウンス流れました」
──いままでそのようなことは?
準決勝・決勝を観戦した大分サポーター
「なかったです。試合中はなかった」
準決勝と違い、試合中にもプレーを遮ってでも感染対策を促すアナウンスがされていたといいます。
準決勝・決勝を観戦した大分サポーター
「(ほぼ満員で)人がちゃんと入った観戦は約2年ぶりで、少し怖いと、正直感じました」
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一人ひとりの感染対策の徹底が求められる中で、20日から運用が始まったのが「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」です。
松野官房長官
「ワクチン接種証明書アプリ。本日からダウンロードしていただける状況になっている」
ワクチンが接種済みであることを証明できるこのアプリ。
スマートフォンでマイナンバーカードを読み取ると、接種回数や最終接種日が表示され、国内では、飲食店やイベント会場での接種証明になります。
海外では、76の国と地域で待機措置の短縮などを受けることができます。
ニューヨークにいる父親と年末年始を過ごすため、アメリカに向かう親子は──。
アメリカに行く親子
「(アプリ)知らなかったね。紙で今回持ってきました。海外でも使えるんならダウンロードしようかなと」
アプリでの接種証明書の交付件数は、20日午後2時半時点でおよそ25万件でした。
ただ、クリスマスまで満席が続くという都内の創作和食店の本音は──。
東京・江東区「なごみ庵 武者武者」店長
「(ワクチン接種証明を)目視で確認ってなると、すごく大変。検温と消毒の行列に続いて、また、それの確認の行列ができちゃうから、すごい渋滞しちゃう」
人手が足りない中で、実際にこのアプリの接種証明を目で見て確認するのは難しいといいます。
また、トラブルも。
2回接種したはずの記者の接種記録は、接種回数が0、最終接種日は年号など全部0と表示されました。「あれ、2回打ってるのに、と思って、かなり焦った」と話していました。
こうした誤った情報が表示されることや、旧姓を併記している人はアプリを使えないなどの課題も明らかになっています。
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オミクロン株への備えとして、東京・江東区にある高齢者施設では、予定より1か月ほど前倒しして3回目の接種がスタートしています。
(12月20日放送『news zero』より)