「ハンドドライヤー」いまだ使えない飲食店多く…客が誤ってペーパータオルをトイレに流すなどトラブルも
トイレなどに設置されているハンドドライヤー。飲食業向けの新型コロナウイルス感染対策のガイドラインでは「使用中止」と記載されているため、今も使えない飲食店が多くあります。ただ、代わりに設置したペーパータオルを客が誤ってトイレに流してしまうなど、別の問題も出てきていました。
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きょう午後の羽田空港。今でこそ、ハンドドライヤーが再び使えるようになりましたが、それまでは――
利用客(28)
「ハンカチも当時、持っていなかったので、びしょびしょのままズボンとかで拭いちゃったりとか、ありました」
さまざまな場所でハンドドライヤーの利用が控えられてきた中、再開のきっかけは、経団連が去年、“感染する確率は極めて低い”として、企業などに示すガイドラインから「ハンドドライヤーの利用停止」の文言を削除したことでした。
大阪大学医学部の忽那賢志教授も、SNSで「ハンドドライヤーは普通に使いましょうッ!」と、過剰な感染対策はやめようと呼びかけています。
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感染対策の見直し進められていますが、東京・新橋にある飲食店では、いまだハンドドライヤーが使えない状態になっています。日本フードサービス協会による飲食業向けの感染対策のガイドラインには、19日現在も「ハンドドライヤーは使用中止」と明記されているためです。
ハンドドライヤーを使えないことで、店側にも悩みがあるといいます。
イタリアンバル店長
「捨てられるペーパーのゴミの処理であったり、(一部の客が)誤ってトイレに流してしまう…トイレが詰まるっていう事故の危険性もはらんではいるので」
――実際にペーパータオルでのトイレの詰まりはある?
イタリアンバル店長
「実際に何件か(ある)。一回、全ての手を止めてトイレ掃除に向かわないといけないので、かなり厳しい状況でした」
安全面とコスト面を考えても、ハンドドライヤーを再び稼働させたいといいます。
――お客様の反応が気になる?
イタリアンバル店長
「そうですね、気になりますね。コロナ前だったら不自然だったのが自然になってしまっているので、皆様が安心して『ハンドドライヤーでいいよね』ってなってから使えるような状態にしたい」
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19日、東京の新たな新型コロナウイルス感染者は4172人で、6日連続で前の週の人数を下回りました。また、5人の死亡が確認されています。
19日夜、会見を開いた厚生労働省の専門家会議・脇田座長が明らかにしたのは、マスク着用の新たな考え方です。
厚労省アドバイザリーボード 脇田座長
「日常生活において、感染リスクが室内に比べると低めになる屋外でのマスクの着用について、屋外でも周囲との距離が十分に確保できないような場面でも、会話が少ないような場面であれば、必ずしも必要ない」
人との距離にかかわらず、“屋外で会話が少なければ、ノーマスクでも”。これに、街の人は――
会社員(26)
「ずっとマスクつけてるのが当たり前になっちゃったので」
――つけていた方がいい?
会社員(26)
「そうです、そうです」
音楽関係(24)
「急に『この(近い)距離で話していいですよ』って言われても、怖いな…っていう気持ちが率直な意見ですね」
会社員(22)
「まだ外せないです」
一方、厚労省の専門家会議は「屋外でも人混みなどに行く場合はマスクを持参し、会話の際には適宜つける。多くの人が利用する公共交通機関での通勤・通学でも、引き続きマスクを着用する」などとしています。
(5月19日放送『news zero』より)