初の燃料デブリ取り出し着手 福島第一原発 事故から13年半で
東京電力福島第一原子力発電所のメルトダウン事故で溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」を取り出す作業が10日朝、始まりました。
燃料デブリの取り出し作業は当初の予定より3年遅れて先月22日に始まる予定でしたが、機材の組み立てミスで延期となり10日、改めて開始されました。
午前7時20分、2号機の格納容器内部に釣りざおのような装置が押し入れられました。
内部は非常に放射線量が高いため、今後は装置の先端についた爪を遠隔で操作して、その下に溶け落ちているごく少量のデブリをつかみ取ります。
順調にいけば約2週間後、最初のデブリ3グラム以下が取り出される予定です。
当面は、こうしたごく少量のデブリの試験的取り出しが行われ、茨城県内の分析施設に運んで、硬さや成分などを分析します。
デブリはメルトダウンした3つの原子炉に、あわせて約880トンあると推定されています。
東電は2030年代には大規模な取り出しを開始するとしていますが、大量のデブリを砕いて運び出す装置の開発や、取り出したものをどこに安全に保管するのかなど、課題は山積しています。