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“旬のフルーツ”盗難相次ぐ 深夜パトロールや自治体・警察と連携した対策も…

2022年9月7日 19:26
“旬のフルーツ”盗難相次ぐ 深夜パトロールや自治体・警察と連携した対策も…

旬のフルーツが盗まれる事件が後を絶ちません。大切に育てたフルーツを守るため、農家と自治体などが連携して最新鋭の機器を使った対策もとられています。

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6日夜、山梨県笛吹市にある駐車場にずらりと並んでいたのは小型の四輪駆動車です。その目的は…

「パトロール中、事故・けががないように、いつもの通り、盗難がないようにお願いします」

山梨県地震対策四駆隊によるフルーツ畑の見回りです。

山梨県地震対策四駆隊 神宮司孝之理事長
「ここの仲間が(果物を)毎年、盗られているから、パトロールしたらどうだろうと」

頻発するフルーツ窃盗から農家を守るため、地元のボランティアが自治体や警察と連携しながら、毎日パトロールしているのです。

狙われやすいのは、近くに民家のない畑です。

ライトを消してみると…

記者
「真っ暗ですね」

山梨県地震対策四駆隊 神宮司孝之理事長
「民家もないから、街灯もない。だから狙われる」

人目のつかない真っ黒な道を入念に確認。車が入れない場所は歩いて見回ります。

山梨県地震対策四駆隊 神宮司孝之理事長
「ぶどう棚は隠れちゃえばわからない。車で走っているだけでは」
パトロールは夜通し続きます。

山梨県地震対策四駆隊 神宮司孝之理事長
「そっくり1日で盗まれちゃうんだから。悔しいよね。自分の子 どもをぽーんと盗まれていくような感じだよね」

パトロールすることで抑止にもつながるため、被害がなくなることを願っているといいます。

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フルーツ王国の山梨県では今年、収穫前の桃やぶどうなどが盗まれる被害が急増しています。8月末までの被害は31件、被害総額は823万円以上に上るということです。

7日に「news every.」が訪ねたのは、8月にぶどうが盗まれる被害にあった農家です。

窃盗被害にあった農家
「こことか、ここもそうですね」

記者
「(房が)なくなってますね」

8月に、収穫直前の高級品種「シャインマスカット」が盗まれたということです。その数、およそ150房。被害総額は22万円以上に上ります。

窃盗被害にあった農家
「障害がある方たちとか、皆さんでいちから育ててきたので本当に悲しい思い」

夜間に見回りをするのは体力的にも限界だといい、ネットなどを設置して対策を進めています。

今年7月にスモモの窃盗被害にあった別の農家では、防犯カメラを自治体の補助を受けて導入しました。

農家 野田全美さん
「防犯カメラ。動画と写真がとれる。主に夜、監視できるようにしてある」

防犯カメラに加え、夜間は消防団がパトロールしているといいます。

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収穫前の農家に募る危機感。自治体も対策を後押ししています。

8月、山梨市は民間の警備会社とタッグをくんでドローンを投入しました。不審な人物がモニターに映し出されると警備員が向かうというものです。

フルーツを狙った被害を防ぐ取り組みは、全国に広がっています。
桃などのフルーツが盗まれる被害が急増している栃木県では、警察と連携し、今週中にも県警のホームページに不審者や被害の情報を受け付ける「情報ボックス」を設置します。その情報をもとに盗難の手口などを農家に情報提供し、被害を防いでいくということです。

後を絶たない“フルーツ窃盗”。対策の効果が期待されています。

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