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たまり場の閉鎖で「居場所がない」 “ドン横キッズ”はどこへ

2022年11月30日 18:13
たまり場の閉鎖で「居場所がない」 “ドン横キッズ”はどこへ

愛知県名古屋市にあった“ドン横”と呼ばれる広場。若者たちのたまり場となっていましたが今年、閉鎖されました。居場所を失った“ドン横キッズ”たちは、夜の繁華街をさまよっています。

   ◇◇◇

午後11時。名古屋市の繁華街に集まっていたのは、通称“ドン横キッズ”です。

「17歳です。ニートです。高校やめました。友だちの家に住んでて、長いときは1か月泊まってて」

繁華街、栄にある「ドン・キホーテ栄本店」の近くにあった広場“ドン横”に、たむろしていた中学生から20歳くらいの若者です。過去には、SNSで有名な“ドン横キッズ”が、未成年の少女にみだらな行為をしたとして逮捕されたこともありました。“ドン横”に集まる若者たちが非行に走ったり、犯罪に巻き込まれたりする恐れがあると、警察や行政も警戒していました。

“ドン横の王”と呼ばれる少年(17)に今のドン横について聞くと、「最近、広場がなくなってから、昔みたいに大きな集まりがなくなってて」と話します。

今年6月、ドン横の広場は高層ビル建設のため閉鎖され、たまり場がなくなったのです。ドン横キッズはどこへ行ったのでしょうか。

数百メートル離れた別の広場に行ってみると、そこには若者たちの姿がありました。

“ドン横キッズ”
「今、19歳っす。音楽聞いてるか、酒飲んでるかぐらい」

――19歳といってたけど

“ドン横キッズ”
「20歳です」

カメラの前で、たばこを吸い始める場面も。さらに、“ドン横”から離れた名古屋駅にも若者の姿がありました。

“ドン横キッズ”
「ドン横でODしまくってて。オーバードーズ」

オーバードーズとは精神的な苦痛から逃れようと、かぜ薬などを過剰に摂取する危険な行為です。

“ドン横キッズ”
「救急車呼ばれて、広場に2台くらいきたの。(ドン横は)他の界わいから『お薬界わい』って呼ばれてた」

つらい現実から逃げるように、オーバードーズをしてしまう若者も多かったといいます。

“ドン横キッズ”は、かつてのたまり場がなくなってからも、場所を変えて集まっています。“ドン横の王”にその理由を聞くと――

“ドン横の王”(17)
「自分の家(にいること)がつらいから、逃げ場所を作るために広場に来るみたいなのが多くて。地元に友達がいないから、“ドン横”の子がリア友(本当の友だち)」

路上に集まって寒くないのでしょうか。別の少年に聞いてみると…。

“ドン横キッズ”
「もっと寒いところにいたから、鑑別所」

――少年鑑別所?

“ドン横キッズ”
「うん」

――この場所に来たきっかけは?

“ドン横キッズ”
「友だちが『来る?』みたいな感じで。興味あったから見に来たら、面白いなって」

中には、自傷行為に走る若者もいるといいます。

“ドン横の王”(17)
「カッターナイフ持って。血を見て落ち着かせる。痛みを感じることで、自分は生きてるんだみたいな」

少女が見せた腕には刃物で傷つけたとみられる無数の痕や、自ら、たばこを押しつけたという痕もありました。

こうしたことから、警察は補導職員とともに、夜の街に集まる若者に声を掛けるなどの取り組みを行っています。

しかし――

“ドン横キッズ”
「親に、家出している人の情報がいったり、ばれたりしたら警察に捕まっちゃうから」

若者たちは、居場所を探して街をさまよっています。

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