県発注の委託業務を巡る贈収賄事件で横手市の元会社役員に懲役1年6か月を求刑 秋田地方検察庁
県が発注した委託業務を巡る贈収賄事件で、県職員だった男に100万円を渡した贈賄の罪に問われている横手市の元会社役員の男に懲役1年6か月が求刑されました。弁護側は、執行猶予がついた判決を求めています。
贈賄の罪に問われているのは横手市にある土木建築会社=クラフトの元役員小松谷行義被告51歳です。
起訴状などによりますと小松谷被告は、おととし7月の記録的な大雨からの復旧工事を巡り、工事の責任者の立場にあった元県職員の男に、自分の会社が下請け業者に選ばれるよう斡旋してもらった見返りなどとして、現金100万円を渡した贈賄の罪に問われています。
クラフトは秋田中央道路の排水業務でおよそ1億3000万円を売り上げました。
小松谷被告は先月の初公判で起訴内容を認めています。
検察は16日の裁判でこの事件の前から小松谷被告と元県職員の男の間で便宜の供与と謝礼の提供があったと指摘したうえで、「公務員の職務の公正に対する信頼を失墜させる悪質な行為」「100万円という金額も相当高額」などとして懲役1年6か月を求刑しました。
一方、弁護人は「罪を認め深く反省しているうえ、自身が設立した複数の会社の代表取締役の職を辞任し社会的責任もとっている」として執行猶予付きの判決を求めました。
判決は来月14日に言い渡される予定です。