さきがけ文学賞 秋田題材の2作品に
新人作家の発掘と県内の文学振興を目的としたさきがけ文学賞の今年の授賞式が行われました。受賞した2つの作品はいずれも秋田が題材になっています。
40回目を迎える今年のさきがけ文学賞には国内外の18歳から94歳まで幅広い年代から264編の応募がありました。
最高賞の「入選」は大阪のデザイナー業、猪村勢司さん39歳の「不忍池」です。秋田蘭画の祖、小田野直武を主人公にした物語で、直武の代表作=不忍池図から着想を得ました。猪村さんはおととしも時代小説で応募し、佳作に当たる「選奨」に選ばれていました。「説明過多なところがクリアされ、江戸の人々の姿がうまく表現されている」と講評されました。猪村さんは16日、仙北市で直武の墓参りをしてきたということです。
選奨には東京で日本語を教える舞羽優さん66歳の「時空往還-未来故郷のルナ」です。男鹿市出身の主人公が眠るとタイムスリップするというSF小説で、「この発想は舞羽さんにしかできない」と評価されました。
受賞した2人は今後の創作活動にも意欲をみせました。猪村勢司さんの「不忍池」は秋田魁新報で今月4日から24日まで連載され、舞羽優さんの「時空往還-未来故郷のルナ」は25日から連載が始まります。