人の生活圏にあるエサ覚える “野外に食べ物を放置しないで”
県は15日、今年のクマの出没傾向や対策について話し合う会議を開きました。
県内ではすでに連日クマの目撃情報が寄せられています。
県のクマ専門職員は「人の生活圏にあるエサを覚えたクマの存在」を指摘し、
食べものを野外に放置しないよう呼びかけました。
毎年クマが冬眠から目覚めるこの時期に開かれている県のクマ被害対策防止連絡会議には
市町村の担当職員などおよそ100人が出席しました。
県自然保護課近藤麻実さん
「(去年の捕獲で)人の生活圏に出てくるような個体に対してかなり捕獲圧がかかったというふうに考えられます。というわけで今年度の出没は去年ほどはひどくはないだろう。ある程度落ち着くだろう。」「予想してはいますがただしです。ただし(集落・人家)近くで寝ていた個体がチョロチョロと出てくるんじゃないかなと予想しておりまして、実際もう今現実になっていますよね」
クマの研究者から県のクマ専門職員に転身した近藤麻実さんは
去年の大量出没を経て人の生活圏にあるエサを覚え、
集落にある食べ物に依存するようになったクマには注意が必要だと指摘しました。
近藤麻実さん
「去年おそらく私たちが(クマを)寄せてしまったです。 集落に」「去年農地とか庭木でいい思いをした奴らはまた来ます。おそらくまた来ます。なので去年のような出没にはならないとは思うんですが、(集落の食べ物を)覚えた奴らがいつまでもでてくるだろうと思われますので、今年も油断はできない」
去年各地で目撃されたカキを食べるクマ。
近藤さんは去年のエサ不足や大量出没をきっかけに、これまであまり食べていなかったカキを新たなエサとして認識したクマが存在するようになったと考えています。
近藤麻実さん
「集落で食わさないというのをもっと徹底しないと、クマを寄せてしまったのが去年だったと思っています」「食べ物があれば出てきやすくなると思いますし、でてきたものが居座るということにもなると思います。そのまま集落の近くで生活拠点を持ってしまうというようなことにもなりかねないので、山にちゃんと戻ってもらうためにも、集落に食べ物がない状況にしていかないといけない」
また近藤さんは、小屋にクマがとどまったり、中に入った住民がクマと遭遇してけがをしたりする事案が起こったことから、車庫や物置などの扉は普段から閉めるよう呼びかけました。
畑の作物やカキ・クリなど集落にあるエサに依存したクマの存在。
県は、今年は例年よりクマの目撃件数が多いことから、見通しの悪い場所での農作業や、散歩をするときは、音をたててクマとの鉢合わせを避けるなど注意を呼びかけています。