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【解説】自転車の交通違反に「反則金」検討? 「罰金」との違いは… “拘束時間”の短縮にも期待

2023年8月3日 22:12
【解説】自転車の交通違反に「反則金」検討? 「罰金」との違いは… “拘束時間”の短縮にも期待

自転車がすごい勢いで赤信号の横断歩道を突き抜けていき、ヒヤリとする……。そんなシーンを目にしたことがある人もいると思います。3日はそんな交通違反の自転車の取り締まりについてお伝えします。

40代主婦
「(宅配自転車など)突然出てきたりスピードが速かったりするので、曲がり角とかでぶつかりそうになったことはあります」

30代主婦
「子どもはまっすぐ歩いてくれないから、(歩道の)横とかに行くとスレスレを歩道でも自転車が通っていく感じ。ヒヤッとします」

そこで3日の「知りたいッ」ポイントは――

◇自転車の違反に「反則金」?
◇金額どうなる? 対象は?

以上の2点を詳しくお伝えします。

■自転車が絡む死亡・重傷事故…約75%で法令違反

反則金とはどういうことかみていきます。

警察庁によると、全国の自転車と歩行者の事故の割合は2016年以降、増加傾向にあり、去年は2905件になりました。自転車は自動車よりもスピードが遅いものの、歩行者とぶつかるとかなりの衝撃を受けてしまいます。時速20キロで走る自転車が歩行者とぶつかった場合の実験では、歩行者はぶつかった衝撃で倒れ、地面に頭を打っていました。

自転車は“加害者”にも“被害者”にもなってしまいます。去年、発生した自転車が絡む死亡・重傷事故のうち、自転車の法令違反があった割合は約75%にのぼりました。4分の3で法令違反があったこともあり、自転車の取り締まりは強化されてきました。

警視庁は自転車の危険行為に去年10月から交通切符、いわゆる「赤切符」を積極的に交付しています。具体的には「信号無視」、「一時不停止」といった一旦停止の場所で止まらない行為や、逆走となる「右側通行」、「徐行せずに歩道を走る」といった違反が交付の対象となっています。

それまでは罰則のない「警告」でとどめられていたケースもありましたが、刑事罰の対象となる赤切符を積極的に交付するようにしました。赤切符が交付されれば「罰金刑」や「懲役刑」の可能性もあります。

■検挙件数の増加で警察にも負担が…

このように取り締まりを強化してきましたが、さらに新たな動きが出てきました。警察庁は有識者検討会を立ち上げ、新たに「青切符」というものを導入することも視野に検討するとしています。

赤切符は悪質な違反にきられ、法律に基づく刑事罰の対象になります。一方で青切符は、自動車などには昔から導入されているもので、比較的「軽い違反」に交付されるものです。

大きな違いは「反則金」になります。違反者は自分の判断で反則金を払えばそれで終わりになります。

「罰金」が赤切符を交付された人を対象にした刑事罰の一つであるのに対して、「反則金」はあくまで行政上の制裁金です。違反を認めて支払えばそれで終わりで、警察署に行くなどの手続きは必要ありません。なので、軽微なスピード違反での対応などと同じです。

今、この反則金の仕組みが自転車の場合ないため、ちょっと困った事態になっています。赤切符を交付すると供述調書を作成するなど記録を詳細に残すため、拘束時間がかなり長くなることが課題でした。

例えば、赤切符だと現場の拘束時間が40~50分程度かかることが多かったそうです。それが青切符なら10~20分程度に短くなることが期待されています。

また、自転車による交通違反の検挙件数、つまり赤切符がきられた数は、去年は約2万5000件でした。2013年は約7000件だったので、約3.4倍に増加しています。

ただ、検挙されても実際に検察に起訴されるのはごくわずかです。刑事罰の対象になるため、慎重に判断しているものとみられます。多くの違反者は、罰金などの刑事罰を実際には受けていない現状があるそうです。

そこで、警察にも違反者にも負担が大きいのに最終的に起訴される例はかなり少ないという現在の制度を見直すことを検討しようというのです。

■対象は?反則金の額は? 早ければ来年にも法改正を目指す考え

ここで2つめのポイント「金額どうなる? 対象は?」をみていきます。

青切符の導入が決まれば今後どうなるか。警察庁によると、青切符は、今は自転車で赤切符の対象になっている「信号無視」や「逆走」などの一部に交付される可能性があります。

反則金の金額も気になるところですが、担当者は「原付を超えることはないと思う」と話しています。原付で違反したときの反則金は3000~2万5000円なので、だいたいこれくらいの金額になる可能性もあります。

また、対象年齢については、16歳以上となっている電動キックボードを参考に検討するということです。検討会は年内に提言をまとめ、警察庁は早ければ来年の通常国会での法改正を目指したい考えです。

   ◇

自転車の活用は、環境問題の観点などからも推進をしようとしている自治体が増えています。しかし、その前に自転車が絡む事故がなく、交通法規が守られる環境が必要です。今回の青切符を巡る議論がよい方向に働くか見ていきたいと思います。

(2023年8月3日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)