【気象解説】今季最強寒波が襲来…日本海側中心に大雪 危険な雪降らせるJPCZとは
8日(水)、日本列島には今季最強寒波が襲来していて、日本海側を中心に大雪となっています。今回警戒すべき点などを気象予報士の木原実さんに聞きました。
8日(水)現在、強い寒波の影響で日本海側を中心に大雪となっています。気象衛星ひまわりで見ると、日本海で異なった方向からの冷たい風が集まる場所に、他の筋状の雲と違って特にまとまった雲の帯があります。この部分が通称「JPCZ」と呼ばれるものです。
2024年の年末寒波でも出現した「JPCZ」とは日本海寒帯気団収束帯(Japan-sea Polar airmass Convergence Zone)のアルファベット頭文字を取った呼び名です。このJPCZによる雪雲が流れ込むと、わずか数時間で大量の雪が降り、積雪が急増、つまり危険な雪となるおそれがあります。今回はこの「JPCZ」が数日間入り続ける、そして一段と強い寒気が流れ込んでくる見込みです。
8日(水)朝の段階で、上空1500メートル付近では平地でも雪を降らせる目安となる「-6℃」の寒気に列島全体がすっぽり覆われています。以降も強い寒気はしばらく居座ったまま、10日(金)には大雪の目安となる「-12℃」の寒気が四国、九州まで南下する見込みです。そのため日本海側は大規模な立ち往生などが発生するおそれもある危険な雪に、晴れる太平洋側でも水道管が凍結するような厳しい寒さの所がありそうです。
■普段雪の少ないエリアでも積雪か
8日(水)夜も日本海側を中心に雪が続く見通しです。特に発達した雪雲が次々と流れ込む東北や北陸、中国地方では激しい雪となりそうです。9日(木)に日付が変わって以降は、普段雪の少ない九州や四国の平地でも積雪となる見込みです。
8日(水)午後3時から11日(土)午後3時までの3日間で、1メートルを超える雪がまとまって降るエリアが、北日本や北陸だけでなく、山陰など日本海側にも広がっています。
短時間で積雪が急増すると車の立ち往生など大規模な交通障害が発生するおそれもありますので不要不急の外出を控えるなど警戒が必要です。
(1月8日午後5時ごろ放送『news every.』より)