【解説】結婚は両陛下が理想? 愛子さま「結婚観」「仕事と公務」を文書で回答
天皇皇后両陛下の長女、愛子さまは、4月1日に日本赤十字社に入社し、文書で感想を寄せられました。回答では、公務と仕事の両立だけでなく、ご自身の結婚観についてもかたられていました。宮内庁担当の笛吹雅子解説委員が解説します。
森圭介キャスター
「愛子さまは今回、A4サイズの紙4枚にわたって回答を寄せられたんですが、笛吹さんはこの文書を読んでどのように感じましたか?」
日本テレビ報道局 笛吹雅子解説委員
「愛子さまご自身が書かれているものなので、考えていることや就職にいたるその気持ちがよくわかりました。愛子さまの文書は、ご自身が考えたことや、その後粘り強く考えられたことが盛り込まれていて、これは両陛下の教育方針であると常々感じてきましたが、今回の文書もそうだと思いました」
森キャスター
「その内容について今回、3つのポイントに注目しました。まず1つ目、『就職先に日赤(=日本赤十字社)を選ばれたワケ』、2つ目が『公務と仕事の両立』、3つ目は『ご自身の結婚について』です。まずは1つ目の『就職先に日赤を選ばれたワケ』です。愛子さまは両陛下や他の皇族方の姿を見て、皇室の役目の基本というのが『困難な道を歩まれている方々に心を寄せること』だと認識されたということです。そこでボランティア活動をはじめ福祉活動全般に興味を抱くようになって日赤への就職を希望されたということですが、これはどういったことなんでしょうか?」
笛吹解説委員
「天皇陛下は、皇室の役目の基本は『国民と苦楽を共に』とよく話されますが、愛子さまはその意味について、ご自身にできることは何かとよく考えた結果、『困難な道を歩まれている方々に心を寄せること』と認識したと。『環境に置かれている』ということではなく、『道を歩まれている』というところに愛子さまの思いを感じます」
森キャスター
「また、就職について両陛下に相談された時には、『社会のお役に立てるとても良いお仕事なのではないか』と背中を押されたということです。愛子さまは両陛下によく相談をされているんですか?」
笛吹解説委員
「相談以外でもよく話されているということです。その上でご自身の考えを固められている。愛子さまの卒業論文のテーマは中世の和歌でしたが、教授とも議論を重ねて『古典文学を受け継ぐ』ということはどういうことか。それは『守る』というだけでなく、現代の生活や表現に活かしていくことが『受け継ぐ』ことであると。本当に議論を重ねたそうなんです。この古典を受け継ぐというのは、まさに皇室の伝統もそうで、愛子さまはご自身の役割と重ねながら熟考を重ねられてきたのだと思います」
森キャスター
「2つ目のポイント『公務と仕事の両立』ということです。先週、愛子さまは初めてのおひとりでの地方訪問にのぞまれました。愛子さまはこの地方訪問について、『行った先々で多くの方々に温かく迎えていただいたことに感激し、非常に印象深い訪問となったことを心から有り難く思いました』と感謝の気持ちをつづられています」
斎藤佑樹キャスター
「多くの人が沿道に来ていてすごくにぎやかだなと思いました。この時の現地の様子はどうだったんですか?」
笛吹解説委員
「若い人たちが多くて、『愛子さまがいるらしい』ということを携帯電話とかで知って、どんどん集まってくるので驚きました。今後も注目されていくのではないかと思います」
森キャスター
「そして、公務と仕事を両立することについて、『大変なこともあるのではないか』とした上で『これまで得た学びも活かしつつ、多様な活動に携わることができれば有り難く思います』と語られています。ますますお忙しくなると思うのですが、今後の公務の予定というのはどうなっているんですか?」
笛吹解説委員
「2日も出勤されています。1日は一日、他の新入社員と一緒に夕方までパソコンの設定や他部署へのあいさつまわりや業務内容の説明を受けられたということです。そして、お住まいに戻った後、宮内庁でも人事異動がありましたので、その人たちに両陛下と一緒に面会されるという公務にものぞまれています」
「皇室の現状としては、皇族数が減って公務の担い手が減っています。そのことについて愛子さまは述べられていて、『そのような中で一つひとつのお務めに丁寧に向かい、両陛下や他の皇族方をお助けしていくことができれば』と述べられています」
「今後も公務は熱心にされるということなんだと思うんですけど、今後の公務については日赤の仕事との兼ね合いをみながら調整されていくということです。今月23日には天皇皇后両陛下主催の園遊会が予定されています。まだ決まっていないということですが、こちらには出席されるのではないかなと思っています」
森キャスター
「お忙しい日々をすごされるということですね」
森キャスター
「3つ目、『今回、ご自身の結婚について』も語られています。愛子さまは理想のパートナーについて、『一緒にいてお互いが笑顔になれるような関係が理想的』ということなんですけれども、両陛下から具体的なアドバイスをもらってないとした上で、『両親のようにお互いを思いやれる関係性は素敵だな』とつづられています。陣内さん、ご両親の姿をよくご覧になっているんですね」
陣内貴美子キャスター
「両陛下も愛子さまも本当に温かい笑顔がすごく印象的ですよね」
笛吹解説委員
「愛子さまは本当にいつも自然体でにこにこ笑顔で周りがぱぁっと明るくなるようなそういう空気をお持ちです。今の両陛下とのご家庭、それが理想だということですね」
森キャスター
「お忙しい日々をすごされながら、お仕事と公務の両立をされるということでした」