相次ぐ強盗事件…“見せる防犯”で対策 大手警備会社「犯罪がやりにくいと思わせることが重要」
8日、白昼の東京・銀座で起きた強盗事件を含め、店舗や高齢者の住む家を狙った強盗事件が相次いでいます。こうした犯罪に巻き込まれないためにはどうすればいいのでしょうか。大手警備会社に防犯対策について聞きました。
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8日、東京・赤坂の防犯カメラが、白い車から飛び降りて細い路地を全力疾走する4人の男の姿をとらえました。車はドアが開いたままで、路地をふさぐように止まっています。周囲には白い仮面のようなものが落ちていました。車から降りてきた3人目は、黒いカバンを持っているように見えます。
この4人は、8日に東京・銀座で起きた“仮面強盗事件”の犯行グループとみられています。多くの人の目がある中、男3人が店に押し入り、100点以上の高級時計を奪ってレンタカーで逃走した事件。10日、捜査関係者への取材で、犯行は2分ほどで行われたとみられることがわかりました。
また、店に押し入った3人のうち1人が「まだ大丈夫、あと30秒はいける」と指示を出しながら腕時計を奪っていたということです。
警視庁は、犯行グループとみられる16歳から19歳の少年4人を逮捕しました。9日までに、乗り捨てられたレンタカーの付近で30点ほどの腕時計が入った黒いバッグが見つかっていましたが、10日、新たにレンタカーの車内から、30点から40点ほどの腕時計が入った別の黒いバッグが見つかっていたことがわかりました。
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7日にも、東京・上野で閉店間際の貴金属店に強盗が押し入るなど、事件が相次いでいます。
こうした犯罪に巻き込まれないためには、“見せる防犯”が大事だと大手警備会社は話します。
セコムIS研究所 濱田宏彰研究員
「『中にカメラが設置してありますよ』とステッカーが貼ってありますけれど、これがあること自体が(犯罪の)抑止につながるということになります」
ポイントとなるのは、入り口に貼られたステッカーです。対策していることを外にアピールして、「犯罪がやりにくい」と思わせることが重要だといいます。
それでも強盗に踏み込まれてしまった場合に有効だというのが、「フォギープロテクション」という装置です。店の天井に設置した装置が起動すると、大きな破裂音とともに大量の白煙を噴射します。周囲は瞬く間に白く染まり、歩くのも困難になりました。体験した記者も、白煙が噴射された瞬間、煙に包まれ「真っ白で何も見えないですね」と視界を奪われていました。
セコムIS研究所 濱田宏彰研究員
「(視界を)奪うことで犯人の意欲をなくして、被害の拡大防止につなげるというものになります」
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強盗などが相次ぐ中、防犯を街全体で行う取り組みもあります。愛知・豊川市で販売中の住宅では、24時間録画し続ける防犯カメラを97区画の住宅、全てに設置することにしたのです。
大和ハウス工業・住宅事業本部主任技術者 舘智徳さん
「365日絶えず守られているという感覚。今後も安心・安全というのは、1つの重要なコンテンツになるのではないかなと」
住宅だけでなく、区画の出入り口、全てにも防犯カメラを設置。街全体で安全性の向上を図っていきたいと話しています。