【解説】家族4人で水76リットル!?首都直下地震後に必要な備蓄品の量は?
今月5日から12日まで国内では震度1以上の地震が30回発生しました。このうち震度3以上の地震は3回ありました。
▼10日午前11時14分ごろ
北海道の新冠町(にいかっぷちょう)や浦河町(うらかわちょう)などで震度3を観測。震源は浦河沖でマグニチュード4.9、震源の深さは67キロでした。
▼12日午前5時18分頃
長野県北部を震源とする地震では大町市(おおまちし)で震度3の揺れを観測しました。地震の規模を示すマグニチュードは2.7、震源の深さは10キロでした。
▼12日午後9時46分頃
福島県沖を震源とする地震があり、宮城県石巻市などで震度3の揺れに。マグニチュードは5.1、震源の深さは50キロ(速報値)、3月以降、地震活動が続いている場所になります。
■石川能登半島で続く地震の原因
地震調査委員会の見解はー今月9日、政府の地震調査委員会が開かれました。会合後の記者会見で相次いだ質問が、石川県能登半島でおきている群発地震についてです。
石川県の珠洲市付近では、去年から地震が相次いでいて、今年に入ってから今月12日までに最大震度4をはじめ震度1以上の地震が76回発生しています。
地下深くに何らかの原因で水が入ってきて地震をひきおこしている説など仮説はありますが、はっきりとしたメカニズムは分かっていないのが現状です。
地震調査委員会も、今後なるべく早く原因を議論したいとしています。震源が浅い地震ですので直上では強く揺れることもあります。引き続き注意が必要です。
■高層マンション激増!「備蓄」の見直しを
先日10年ぶりに改訂公表された東京都の首都直下地震の被害想定でも、新たな課題が浮き彫りになりました。高層マンションなどの急激な増加です。
この10年間で高さ45メートル以上の建築物は1000あまり増加しました。近年建築された高層マンションは首都直下地震のような激しい揺れにも耐えられるように作られていますが、地震後には電気や水道、ガスなどライフラインがとまることが想定されます。
そこで鍵となるのが備蓄です。去年、東京都がおこなったアンケートでも水や食料を1週間以上備蓄している人は10%未満にとどまっています。
東京都では、インターネット上で家族構成などを入力すると必要な備蓄量が分かる「東京備蓄ナビ」というサイトを提供しています。
代表的な大人2人と子ども2人の家族の場合、マンション住まいで必要な1週間の備蓄は次のような結果が出てきました。
▼飲み水 76リットル
▼無洗米 10キログラム
▼トイレットペーパー 9ロール
▼カセットコンロのボンベ 1日につき4分の3本
▼簡易トイレ 140回分
▼ウエットボディタオル 28枚
地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは、「日頃の快適な生活から大地震が発生した際に直面するおそれのある危険な出来事を想像することは難しいが、地震によって停電となったら動かなくなるものは何か?
水が出なくなったら何か困ることはないか?などについて一度、家庭内で話し合ってみて」と話しています。