命を絶とうと…女子高校生が外国人を救う スマホの翻訳機能を使い「死んじゃだめだよ」
新潟北警察署で5日、自ら命を絶とうとしていた男性を救ったとして、新潟東高校3年生・井口綾乃さん(17)に警察から感謝状が贈られました。井口さんは当時の状況について、「自分が間に合って手を押さえないと死んじゃう、落ちちゃうと思って、全速力で走って手をつかんだ感じです」と話しました。
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その緊迫の現場は、阿賀野川沿いの通学路でした。先月21日の朝、井口さんが橋の方に目を向けると、橋の中ほどで川の方を見つめる男性の姿がありました。
高校3年生・井口綾乃さん
「すごく私の方をちらちら見ていたので、『何かあるのかな』みたいな感じで見ていました」
井口さんの視線に気づいたのか、男性は突然、橋の欄干に足をかけたといいます。
井口綾乃さん
「最初ここ(欄干)に足をのっけていたんですよ。そこからまたいじゃって…」
井口さんは慌てて駆け寄りました。
井口綾乃さん
「私が必死に『落ちちゃだめだよ』みたいな感じで言って、ちょっとたってから上がってきてくれた。顔を見て外国人」
男性は外国人で、日本語がわからない様子。とっさに取り出したのはスマートフォンでした。
井口綾乃さん
「(スマホの画面を見せて)こういう感じで、翻訳機能で」
翻訳機能を使って、ポルトガル語で「辛くても死んじゃだめだよ!」などメッセージを送ったのです。
井口綾乃さん
「授業で英語を翻訳する時に使っていて、『あっこれ使えるかも』と思って」
外国人男性は、井口さんのメッセージを見て思いとどまったということです。安全なところまで一緒に移動し、警察に連絡しました。井口さんは「ほっとして、落ちなくてよかったというのが一番。助かってほっとして、涙が気づいたら出ていた」と話しました。