雪不足で「水不足」に懸念 暖かい日続き雪解けも早まり… レジャーに影響も
今年は異例の暖かさとなっていますが、その影響が大きく広がるかもしれません。この冬に降った雪が少なく、さらに解けるのが早まっていることなどが重なり、水不足になる可能性もあるというのです。さらに、“雪不足”の影響はレジャーにも及んでいます。
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群馬・みなかみ町にある関東の水がめのひとつ、藤原ダム。20日午後3時時点での貯水率は65.5%でした。順調に水がたまっているように見えますが、今年はいつもの年と状況が違うといいます。
国交省 利根川ダム統合管理事務所・広域水管理課 齊藤光悦課長
「今年は3月の中下旬くらいに雪が消えましたので、例年に比べますと約1か月くらい雪がとけるのが早かった」
雪解けの水はダムの水をためるために重要ですが、今年はすでに解けてしまったというのです。
上空から撮影したダム周辺の映像には、雪らしきものはまったく見当たりませんでした。標高の高い山などに雪が残っていましたが、ダムの周りにはほとんどありませんでした。
今年2月、この地域では吹雪に見舞われ、一面、雪景色となっていましたが、4月20日に町を訪れると…
地元の人
「積雪量がね、少ないです。やっぱり暖かいでしょ」
地元の人
「山の雪が少ないので、この辺の雪も少ないし」
実は2月に降った雪の量は平年の6割ほどでした。
◆2月に降った雪
みなかみ 今年:154cm 平年:241cm
藤原 今年:159cm 平年:272cm
さらに2月末から続く気温の高さが追い打ちをかけ、4月中旬頃まで残っているという雪は消失。雪解けが1か月ほど早くすすんでしまったということです。そのため今後の雨が重要だといいます。
国交省 利根川ダム統合管理事務所・広域水管理課 齊藤光悦課長
「雨が少ないと川の水が減ってしまいますので、そうすると水不足になる可能性もある」
20日、ダムを管理する関東地方整備局は会議を開き、今年は冬に降った雪が少なく、暖かい日が続いているため雪解けが早まっていることを報告しました。現在、藤原ダムを含め9つある利根川水系のダム全体の貯水量は平均より多くなっていますが、今後、雪解けの水の流入も例年ほど期待できないといいます。
さらに、まもなく田植えが始まります。農業用水でダムの水が減少する上、今後、仮に雨が降らず、暑い日が続けば貯水量が急激に減少し、「水不足」になるおそれもあるということです。
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影響は本来ゴールデンウイークまで楽しめるレジャーにも及んでいました。
新潟・湯沢町にあるスキー場でも雪解けが早まったことで、ところどころで地面が見えていました。現在の積雪は例年の半分ほどだといいます。
GALA湯沢スキー場 森久さん
「元々GWまでの営業という予定でいろいろ準備はしておりますので、営業期間が短縮になるのは会社としては痛手」
次の日曜日(4月23日)で営業を終了し、夏向けの準備を進めたいということです。
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このまま「水不足」になることはあるのでしょうか。関東地方整備局は今すぐ、水不足が懸念されるわけではないものの、「水を大切に使ってほしい」と早めの注意を呼びかけています。