「甲子園で“アレ”が見たい」――阪神、18年ぶりの悲願が目前に 大阪の街は警戒態勢…「飛び込み」対策、臨時休業も
今季の阪神タイガースはリーグ首位を独走し、13日で10連勝。マジック1となりました。岡田彰布監督は“アレ”を連発し、ファンも“アレ”を掲げて応援してきました。18年ぶりの“アレ”の悲願達成が目前に迫り、大阪の街では警戒が始まっています。
13日夜、東京・新橋の居酒屋「TIGER STADIUM」には阪神タイガースファンが集まり、大盛況となっていました。阪神は4対0で見事勝利しました。
ファンたちは「心から楽しんで喜んで、“アレ”を迎えましょう」「もう明日“アレ”でしょうね。甲子園でアレが見たいので」「いよいよ“アレ”ですね。見えてきました」と、口々に“アレ”と言いました。
■岡田監督の就任会見で出た“アレ”
さかのぼること約1年前。今季、15年ぶりに阪神に復帰した岡田彰布監督の就任会見に、その答えがありました。
岡田監督は「『優勝します』とは僕は言わないですけど」「ずっと優勝は“アレ”しか僕は言ってなかったので」と語りました。「ファンの皆さんは“アレ”待ちでいい?」という質問には、「そうですね」と返しました。
“アレ”とは優勝のことです。選手たちが優勝を意識し過ぎないように岡田監督が使い始めました。今年2月の沖縄キャンプでは「“アレ”を目指して、シーズンで“アレ”を勝ち取り、秋にはまた“アレ”の喜びを…」と連発することもありました。
さらに、2023年シーズンのチームスローガンは「A.R.E.」になりました。そのスローガンでは「明確な目標(Aim)」、「敬って取り組む気持ち(Respect)」、「パワーアップ(Empower)」がうたわれ、“アレ”を強く意識しています。
ファンも一丸となって“アレ”を掲げて応援し、今年の阪神はリーグ首位を独走しました。13日で10連勝となり、優勝マジックは1に。18年ぶりの悲願の“アレ”が、目前に迫っています。
兵庫・尼崎市でこの日、“アレ”の瞬間を迎えた時のことを聞きました。ファンは「泣くでしょうね~」「全身から汁出そう」「もう長生きしててよかった。今82歳やけど100歳まで生きます! 阪神優勝!」と口々に言いました。
こうした中、SNSには道頓堀にあるコンビニの写真が上がりました。入り口に貼られていた紙には「阪神タイガースのアレが決定次第、従業員の安全の為臨時休業致します」と書かれていました。
さらに、大阪のミナミでは道頓堀川への飛び込みに注意を呼びかけるポスターを新しく貼り替えるなど、18年ぶりの“アレ”に向けた準備が進んでいます。
18年前の2005年、阪神がリーグ優勝を果たし、大阪の街は人でごった返していました。
道頓堀の周辺では人が密集して危険な状態に。警察官が列となり、道頓堀川に架かる戎橋を封鎖しますが、制止を無視して突破しようとする人もいました。次々と、興奮したファンが川に飛び込んでいきました。
2003年の優勝時には5300人以上が川に飛び込み、1人が死亡しています。
大阪府警は去年のハロウィーンの6.5倍にあたる1300人の警察官を配置することを決定。戎橋の通行を規制する可能性もあるとしていて、道頓堀橋には人が立ち止まらないように幕を設置するということです。
阪神の“アレ”は、早ければ14日に決まります。
(9月13日『news zero』より)