コンビニで買える“酔えるグミ”「親としてはやめてほしい」子どもの誤食に懸念の声
UHA味覚糖が販売する「パリピ気分」は“酔えるグミ”として、SNS上などで話題になっています。
東京・渋谷で実際にパッケージを見てもらうと、20代の大学生からは、「キャンディーなのにアルコールが入ってる!」「普通に間違えて、食べちゃいそう」と驚きの声が。20代の会社員も「(アルコール入りって)気づかない」といいます。
カラフルなパッケージには「レモンサワー味のソフトキャンディ」、「キャンディ食べて、アゲアゲハッピー」とコミカルな言葉が踊っていますが、実は「アルコール分2.0%入り」なのです。実際にスタッフがグミをかんでみると、かすかなアルコールを感じました。
この商品は、コンビニエンスストアのお菓子売り場などで販売されているため、SNSなどでは「子どもが間違って食べてしまうのでは」と心配する声が上がっています。
「アルコール分2.0%入り」、「お子様や運転時はご遠慮ください」などと、“注意”を促す表示はありますが、封を開けると、注意表示が切れてしまいます。また中の個包装には、アルコールの表示は表にも裏にも記されていませんが、包装をめくった、「一目ではわかりにくい場所」に、アルコール分が入っていることが書かれていました。
他のアルコール入りお菓子などと比べても、お酒のイラストがないなど、違いがあります。
“酔えるグミ”についてSNSで注意喚起をしたのは、アルコール依存などの問題に取り組む「NPO法人ASK」の風間暁さんです。風間さんは「一般認識として、ソフトキャンディーにお酒が入っているとは、ほとんどの人が思わないと思う。だからこそ表記を大きくしたり、注意書きを工夫するとか、販売する時の置き場を工夫するとか、配慮や検討が必要だったと思います」と指摘しました。
国税庁と消費者庁によると、1%以上のアルコールを含む飲料については「酒類」の表示が義務づけられていますが、アルコールが入った菓子類には表示の義務はないということです。
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“酔えるグミ”を子どもが食べてしまうおそれについて、街の人からは不安の声が。
会社員(30代)
「食べちゃう子は絶対いるかなと思う。親としてはやめてほしい」
会社員(30代)
「親が見ている分にはいいですけど、1人でコンビニとかで買われちゃうと怖いなと」
「飲酒運転の問題とかもありますし」
では子どもや車を運転する人が食べた場合、どのような影響があるのでしょうか。
アルコールの影響に詳しい よしの病院・河本泰信副院長
「子どもであればあるほど、お酒の反応性や、影響力は多くなります。普段、お酒を飲んでいない方にとっては、非常に酩酊(めいてい)感とか効果が高い」
「(個人差があるが)200個くらい食べると、日本酒1合で『酒気帯び基準』を満たすということになります」
製造するUHA味覚糖は「news zero」の取材に対し、“大人向けに開発した商品”だとした上で、担当者は「読みやすさ・分かりやすさ・販売方法に関して、検討すべき点があると考えております。この度のご指摘やご意見を踏まえて、今後の企画・販売を検討してまいります」としました。
「パリピ気分」は期間限定販売のため、すでに出荷している分で販売を終了するということです。
(1月13日放送『news zero』より)