「森友」公文書改ざん訴訟 自殺職員妻の損害賠償請求を棄却 控訴の方針
森友学園をめぐる公文書改ざん問題で自殺した元近畿財務局職員の妻が、当時の理財局長に賠償を求めた裁判で、訴えを退ける判決が言い渡されました。
元近畿財務局職員・赤木俊夫さんは、森友学園への国有地売却をめぐる公文書を改ざんさせられ自殺。妻の雅子さんが改ざんの方向性を決定づけた当時の佐川宣寿理財局長と国に対し、損害賠償を求める裁判を起こしていました。
裁判では、国は賠償責任を全て認める「認諾」の手続きを取り、裁判を終わらせていました。
佐川氏に対する訴えについて、大阪地裁は25日、国家公務員が損害を与えたときは、国が賠償責任を負うとの法律の規定により、「被告個人に賠償責任はない」と佐川氏側の主張を認め、雅子さんの訴えを棄却しました。
雅子さんは裁判を通して真相が明らかにされることを期待していましたが、判決では「被告に賠償責任がない以上、改ざんを指示した行為について説明したり、謝罪する法的義務も発生しない」と判断しました。
判決を受け、雅子さんの代理人弁護士は「国会議員と国家公務員が組んで問題を起こしたとしても責任は取らないし、真相は明らかにならないという前例を作ってしまった」「このまま終われば、俊夫さんのような人が再び生み出される可能性がある」と控訴する方針です。